顧客満足度を上げる方法とは?関連する要素や活用すべきツールも紹介
近年では、多くの企業が「顧客満足度」の向上に取り組んでいます。
その背景には、他社との競争が激化していることや、顧客がインターネットを通して発信する内容の影響力が高まっていることなどが考えられるでしょう。
本記事では、顧客満足度の概要や、顧客満足度が下がることで起こり得るリスクなどをあらためて解説したうえで、顧客満足度を上げる方法や活用すべきツールをご紹介します。
記事の内容
1. 顧客満足度とは
最初に「顧客満足度」の概要と、企業が顧客満足度を重要視すべき理由について確認していきましょう。
顧客満足度(CS)の概要と要素
「顧客満足度(CS:Customer Satisfaction)」とは、簡単にいえば「商品・サービスに対して顧客がどれくらい満足しているか」を測るための指標です。
「JCSI(日本版顧客満足度指数)調査」を実施している公益財団法人日本生産性本部では、顧客満足度に関連する指標として、次の6つの要素を挙げています。
・顧客期待(企業ブランドへの期待)
顧客が商品・サービスを実際に利用するにあたり、事前に感じている企業ブランドや商品・サービスへの期待のこと
・知覚品質(全体的な品質評価)
顧客が商品・サービスを実際に利用した際に感じる、商品・サービスの品質のこと
・知覚価値(コストパフォーマンス)
顧客が商品・サービスを実際に利用したうえで、品質と価格を比較して感じるコストパフォーマンス(品質に対して納得できる価格か?など)のこと
・顧客満足
顧客期待、知覚品質、知覚価値で構成される、顧客の商品・サービスに対する満足感のこと
・推奨意向(クチコミ)
顧客が実際に利用した商品・サービスについて、前向きな内容で他人に伝える意向はあるかということ
・ロイヤルティ(将来への再利用意向)
顧客が実際に利用した商品・サービスを再度利用する意向はあるかということ
企業が顧客満足度を重要視すべき理由
では、企業はなぜ顧客満足度を重要視すべきなのでしょうか。その理由として、次の3点が挙げられます。
1つ目は、市場の多様化が進み、競争が激化していることです。
近年では、一つの企業が複数のジャンルの事業を経営する「多角経営」も珍しくありません。
2つ目は、SNSの普及にともない、顧客の発信が大きな影響を与えるようになっていることです。
企業が発信する情報ではなく、同じ立場である消費者のクチコミやレビューを重視するケースが増えています。
3つ目は、顧客満足度を向上させることは、長期的に見てコスト削減につながるということです。
新規顧客を獲得するよりも、既存顧客の継続率・リピート率を上げるほうが、コストパフォーマンスが高くなります。
2. 顧客満足度が下がるとどうなる?
顧客満足度が下がることによるリスクとして挙げられるのは、次の3点です。
・企業イメージが悪化する
・新規顧客やリピーターが減少する
・収益が不安定になる
それぞれ詳しくご説明します。
企業イメージが悪化する
顧客満足度が下がるということは、その企業の商品やサービス、顧客対応などに対し、何らかの不満を抱える顧客が多い状態を意味します。その不満について、インターネットを通じて顧客が発信することになれば、悪い評判は一気に広まり、企業イメージの悪化につながってしまうでしょう。
新規顧客やリピーターが減少する
商品を初めて購入する消費者は、購入経験のある顧客のクチコミやレビューを頼りにすることも多くあります。前述した状況のように、その企業やブランドに関しての悪い評判が広まっていれば、新規顧客の獲得は難しいでしょう。
また、その企業や商品・サービスに対し不信・不安を抱いた顧客は、リピートしてくれる可能性が低くなります。新規顧客だけでなく、リピーターも減少してしまうため、企業にとって大きな損失です。
収益が不安定になる
リピーターが減少して「LTV」が低下すれば、安定した売上の確保が難しくなります。
「LTV(Life Time Value)」とは、「生涯顧客価値」と訳され、その顧客が自社と取引を始めてから終了するまでの間に、どれくらいの利益をもたらすかを表す指標です。
LTVの低下により売上が不安定になれば、収益も不安定になり、企業の成長に悪影響をおよぼすでしょう。
3. 顧客満足度を上げる方法
顧客満足度は高いほうが良いとはわかっていても、具体的にどのような方法で高めれば良いか悩んでしまうかもしれません。
続いては、顧客満足度を上げる基本の方法を4つご紹介します。
顧客のニーズを正しく理解する
1つ目の方法は、顧客のニーズを正しく理解・把握することです。「こうすれば顧客の期待に応えられるはずだ」という思い込みで施策を進めても、ミスマッチはいつまでも解消されません。
顧客が企業に求める姿と現状のギャップを正しく理解できれば、対策をとりやすくなるでしょう。
なお、顧客のニーズを理解・把握するためには、あらかじめ組織として、顧客満足度の一貫した定義を決めておくことがポイントとなります。
期待を超える商品・サービスを提供する
2つ目の方法は、期待を超える商品・サービスを顧客に提供することです。
顧客満足度を構成する要素からもわかるとおり、顧客満足度の高さは、顧客の「期待以上」の商品・サービスを提供できているかによって左右されます。そのため、良質な商品・サービスでも、顧客の想像の範囲内のものであれば、顧客満足度の向上につながらない可能性もあるのです。
ただし、付加価値にこだわるあまり、本来自社が提供すべき価値とずれてしまわないよう注意しましょう。
最適なタイミングでアプローチする
3つ目の方法は、最適なタイミングで顧客にアプローチすることです。
例えば、とある顧客が自社のECサイトで商品をカートに入れたまま、サイトから離脱したとします。この顧客に1週間後にアプローチしても、すでに他社商品を購入したあとかもしれません。
上記ケースの場合は、離脱してから時間を置かず、購入をひと押しするアプローチをするのが理想です。
従業員満足度(ES)のチェックも忘れずに行う
4つ目の方法は、従業員満足度のチェックを行うことです。
「従業員満足度(ES:Employee Satisfaction)」とは、職場の環境や働きがいなどに対する従業員の満足度のことを指します。
一般的に、従業員満足度の高い組織は、顧客満足度も高いと考えられています。なぜなら、従業員満足度が低いと、そもそも顧客が満足いくサービスを提供できる環境にない可能性が高いためです。
顧客満足度を上げるためには、従業員満足度の高さについても意識しましょう。
4. 顧客満足度向上のために活用すべきツール
顧客満足度向上のために活用すべきツールは、次の4つです。
・顧客管理システム(CRM)
・営業支援システム(SFA)
・アンケート作成ツール
・チャットボット
それぞれ確認していきましょう。
顧客管理システム(CRM)
「顧客管理システム(CRM:Customer Relationship Management)」とは、顧客の氏名や連絡先などの基本的な顧客情報から、過去の取引履歴、売上などの情報まで、細かく管理できるシステムのことです。顧客のさまざまな情報を見える化することで、顧客のニーズを見つけやすくなります。
また、顧客情報をリアルタイムで共有できるため、最適なタイミングで確度の高いアプローチが行えるでしょう。
営業支援システム(SFA)
「営業支援システム(SFA:Sales Force Automation)」とは、営業活動全般の支援や営業業務の効率化など、営業担当者をサポートするためのシステムのことです。CRMがマーケティングや顧客サービス、営業など幅広い領域を管理するのに対し、SFAは営業領域に特化しています。
ただし、CRMとSFAはひとまとめにされることも多く、SFAもCRMと同様の効果が期待できるでしょう。
アンケート作成ツール
顧客満足度を可視化するためには、顧客満足度調査として、アンケートを実施することが重要です。
アンケート作成ツールを活用すれば、アンケートの作成・実施に無駄な負担をかけず、実施後の集計・分析も含めて効率的に進められます。
チャットボット
チャットボットとは、顧客の質問に対し、適切な回答を自動で提供する対話型プログラムのことです。
チャットボットを導入していれば、顧客はわざわざ電話やメールで問い合わせる必要がなくなるため、顧客が抱える疑問や課題をスピーディーに解決できる効果が期待できます。これにより、顧客満足度の向上につながるでしょう。
5. 顧客満足度を高めたいなら「ジョブマネ」の導入がおすすめ
顧客満足度を高めたいと考える方におすすめなのが、中小企業様や部門単位でのご利用に適したクラウド型業務管理ツールの「ジョブマネ」です。
ジョブマネは、顧客管理(CRM)、営業支援(SFA)をはじめ、グループウェアや基幹システム(ERP)がデータ連携しています。
ジョブマネを導入すれば、幅広い業務領域でリアルタイムでの情報共有が可能なため、顧客のニーズの把握や最適なタイミングでのアプローチなど、顧客満足度向上のための確度の高い施策を実施できるでしょう。
初期費用は一切かかりませんので、負担なくサービスの利用を開始できる点もメリットです。
6. まとめ
顧客満足度を上げるために意識したいポイントは、次の4点です。
・顧客のニーズを正しく理解する
・期待を超える商品・サービスを提供する
・最適なタイミングでアプローチする
・従業員満足度(ES)のチェックも忘れずに行う
今回紹介したツール「ジョブマネ」には30日間の無料トライアルがあり、全機能を試すことができます。
自社の顧客満足度向上施策に活用できそうか、この機会に試してみてはいかがでしょうか。