工数管理とは?EXCELを使った工数管理のやり方まで解説
「工数管理を行う方法を知りたい」と思っている方はいませんか?実は、工数管理を適切な方法で行うと、無駄な作業時間の削減や適正な人員配置に役立てることができます。
そこで本記事では、工数管理の具体的な方法について解説します。工数管理を失敗してしまう原因やその対策についても紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
記事の内容
工数管理とは業務にかかった時間と必要な人数を管理する
工数管理とは、プロジェクトや事業を完了させるために必要な「業務時間」と「人数」を把握し、管理することを言います。多くの会社や各事業などで、業務の効率化を図るために行われています。
工数とはプロジェクト完了までに必要な時間と人数を示す指標のこと
工数とは、プロジェクト完了までに必要な時間と人数を示す指標のことを言います。プロジェクト完了までに必要な作業時間とも言い換えられ、製造業をはじめ様々な業種で使用されている概念です。
また、工数は「工数=業務にかかる時間×必要な人数」という式で表わします。
例えば、プロジェクトメンバーが5人、1人当たり14時間作業するとプロジェクトが完了できる場合の工数について式を利用し計算すると、「5人×14時間=60時間」となるため、60時間が工数となります。
工数管理では、「業務にかかった時間」と「必要な人数」について管理します。工数管理をすると、以下の4つについて把握することが可能です。
- プロジェクトの進捗具合
- 時間がかかっている作業
- 作業効率の悪いメンバーの発見
- プロジェクト完遂の目安時期
工数管理を行う目的について解説します。
工数管理を行う目的
工数管理を行う目的は、以下の5つについて把握・算出するためです。
- 必要となる工数
- プロジェクトの日程計画
- プロジェクトでかかる労務量
- プロジェクトで必要となるコスト
- 進捗状況
これらを把握・算出することで、プロジェクトを遅延なく完遂させることが可能になります。また、工数管理を正しく把握するとムダの発見もできるため、生産性向上に対しての具体策も検討可能です。その結果、企業利益の向上にもつながります。
工数管理を行うことのメリット
工数管理を行うことのメリットとしては、以下の4つが挙げられます。
- スケジュール調整がしやすくなる
- 生産性の向上に期待できる
- モチベーションの向上につながる
- 予算や見積の指標となる
それぞれ順に詳しく解説していきます。
スケジュール調整がしやすくなる
工数管理を行うと、各個人が担っている仕事量や作業効率、進捗状況の把握が可能です。そのため、スケジュールが調整しやすくなり作業の遅延を防ぐことにもつながります。また、トラブルや急な業務が発生した時などの早期の対応が可能になります。
生産性の向上に期待できる
工数管理により、全体の工数以外にも各個人の仕事量や作業効率が可視化され、工数ごとの細かな状況が把握できます。そのため、生産性が低い場合は具体的な改善案の提案をしやすくなり、作業体制の改善も可能です。
また、作業体制の改善により仕事量の過不足が調整され、各個人の生産性の向上にもつながります。生産性が向上すると、売上の増加や作業進行の円滑化、他にも適切な人員配置ができることから人件費の削減にも期待できます。
モチベーションの向上につながる
工数管理は自らの働きぶりを数字で確認できるため、モチベーションの向上につながります。さらに、業務の効率化について自主的に考える機会も生まれます。自身の業績や実績の上昇以外にも組織の成長にもつながるため、会社全体の利益につながると言えるでしょう。
予算や見積の指標となる
工数管理を毎月行うことで、プロジェクトや各従業員に関する細かいデータが蓄積されます。この蓄積したデータは予算や見積作成の指標にもなります。また、プロジェクト完遂までの時間が算出しやすくなり、類似案件の参照データとしても使用可能です。
工数管理を行う方法
工数管理を行う方法として、まず必要な作業は以下の通りです。
- 工数を洗い出す(作業時間 × 作業人数で工数を算出)
- 1人が1時間でこなせる作業量を計算
- 1人が1日の作業でこなせる作業量を計算
- 1人が1か月でこなせる作業量を計算
また、工数がすでに算出されている場合は、以下のような方法で行うとよいでしょう。
- 工数÷作業時間で作業を完了するために必要なメンバー数を算出
- 工数÷人数で作業を終わらせるために必要な作業時間を算出
具体的な工数管理のやり方・方法について
具体的な工数管理を行う方法として、Excelを使用する方法・工数ツールを使用するといった2つの方法があります。
Excelで工数管理を行う方法
まず、プロジェクト内の作業や工数を落とし込んだ工程表であるWBS(work breakdown structure)をExcelにて作成します。作成する際は、「企画」「設計」「開発」「テスト」などプロジェクトの工程を把握できるようにし、必要な作業時間やタスク担当者を記載します。
次に、作成した工程表から各工程で必要となるタスクを洗い出します。WBSの中には、プロジェクトに必要な作業時間やタスクの担当者が記載されているため、プロジェクトの計画書やスケジュール管理にも活用が可能です。
工程表の作成ができたら、担当者が必要作業時間の入力をします。そして、プロジェクト管理者は進捗状況を確認するために担当者が入力した作業時間を確認し、プロジェクト完遂までに必要な時間の把握を行います。
工数管理ツールで工数管理を行う方法
担当者にその都度工数入力を行ってもらう場合は、工数ツールの使用がおすすめです。工数ツールの入力項目を確認し、項目がカスタマイズできる場合はプロジェクトに合った必要項目の設定を行います。担当者が日々入力を行い、ツールから進捗状況の確認をします。
工数管理で失敗しないための方法
工数管理で失敗しないための方法として、以下の3つを行うとよいでしょう。
- 明確な目標設定と計画を立てる
- 起こりうるリスクを事前に想定する
- 工数入力の時間やルールを設定する
それぞれ順に解説していきます。
明確な目標設定と計画を立てる
工数管理をする前にプロジェクト担当者のスキルや生産性を考慮し、プロジェクト完遂までの明確な目標設定と計画を立てることが必要です。具体的で明確な目標設定をし、タスクの優先順位とスケジュールを立てることで、進捗を管理しやすくなります。
起こりうるリスクを事前に想定する
工数管理では、リスクを想定しその対処に必要な時間を見積もっておく必要があります。予期せぬトラブルに備えることで、柔軟な対応が可能となりプロジェクトの進捗を確実に行うことが可能です。
工数入力の時間やルールを設定する
工数入力の時間やルールを設定することで、未入力や誤入力を防ぐことができます。未入力や語入力を防ぐことで、信頼性の高い情報を得ることができ分析もしやすくなります。そのため、実際の工数とのズレを防ぎより効果的な工数管理の実現が可能です。
工数管理で失敗してしまう原因
工数管理で失敗してしまう原因として、以下の3つが挙げられます。
管理の複雑化
工数管理で失敗してしまう原因の1つとして、細かく管理をしようとして管理項目が多くなり、管理が複雑化することです。結果、本来の目標から逸れる可能性が高くなります。管理項目を適切な量にし、作業効率と目標達成のバランスを取ることが大切です。
管理方法が適切ではない
管理方法が適切でなくExcelやツールを使いこなせないメンバーがいると、正確なデータの集計ができなくなります。特にExcelの場合は、手入力であることや同時編集ができないことから入力ミスなどにより、ヒューマンエラーが起きやすいと言われています。
コミュニケーション不足
コミュニケーション不足が起こると、工数管理の進捗状況の共有が上手くできず進捗状況の把握にばらつきが生じます。そのため、管理者以外のメンバーの中にプロジェクトの進捗状況や残りの必要な工数を把握できていないメンバーが出てくる危険があります。
工数管理ツールを導入して業務効率化できた事例
工数管理ツールを導入し、業務を効率化できた事例について紹介します。
ホームページの受託制作を行う企業では、工数管理ツールを導入するまでは個別案件ごとの作業時間を把握しておらず、どんぶり勘定で工数管理を進めていました。
そこで、個別案件ごとの工数管理ができる工数管理ツールを導入したところ、各ディレクターが工数管理を行えるようになったという事例です。さらに、案件ごとの利益計算も出来るようになったため、安心して業務を任せられるようになったという声が聞かれています。
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