営業部門のテレワーク・在宅勤務導入とは?メリット、課題、解決方法を解説

営業部門のテレワーク・在宅勤務導入とは?メリット、課題、解決方法を解説

営業部門のテレワーク・在宅勤務導入とは?メリット、課題、解決方法を解説

コロナ禍を背景にテレワーク・在宅勤務が急速に広まっています。テレワーク・在宅勤務は、通勤や出社で発生するリスクを回避しつつ、生産性向上・効率化に役立つ制度です。ただし、どちらかといえば属人的な業務が多い営業部門では、課題解決までを見据えた対策が必要になります。ここでは、営業部門のテレワーク・在宅勤務導入のメリットや課題、解決方法などを解説しています。 

1.テレワークの概要と一般的なメリット


まず、テレワークの概要と一般的なメリットについて解説します。

テレワークの定義

テレワークとは「ICT(情報通信技術)を活用し、通常仕事を行う場所とは異なる場所で仕事をする勤務形態」を指します。一般的には、インターネットとICTツールを使い、遠隔地同士を結んで業務環境を創り上げることが多いでしょう。テレワークは2017年に政府が「テレワーク・デイ」を定めたことで知名度が高まりました。もともとは東京オリンピック開催時の交通混雑を回避するために推進されていましたが、コロナ禍が拡大した2019年末以降は、感染拡大防止策の目玉として活用されています。

テレワークの一般的なメリット

テレワークは使い方次第でさまざまなメリットが発生します。特に次の3つは、業界業種に関わらず期待できるメリットです。

コスト削減

テレワークに移行することで「通勤費用(定期代やガソリン代など)の負担」「オフィスの賃料や光熱費」などが減少します。これらはテレワークを開始した直後から発揮される効果です。

通勤、出社に伴うリスクの回避

コロナ禍においては、感染リスクを回避するために「三密(密閉・密集・密接)」にならないような生活様式が求められています。しかし、通常の勤務形態で通勤・出社時の三密を回避することは難しいでしょう。一方、通勤や出社を伴わないテレワーク・在宅勤務制ならば、三密を回避して従業員の感染リスクを低下させつつ、企業活動も維持することができます。

人的リソースの確保

テレワーク・在宅勤務制には、「物理的な距離・場所の制限を受けずに従業員をアサインできる」という強みがあります。ネットワークでつながりさえすれば、全国の従業員を対象として人的リソースを確保できるわけです。実際に大手企業の中には、全国の事業所・支社から業務に適した人材をアサインし、バーチャルなチームとして活動しているケースもあります。

 

2.テレワーク、在宅勤務導入のためにまずやるべき3つのこと


次に、実際のテレワーク・在宅勤務導入でまずやるべきことを紹介します。テレワーク・在宅勤務導入のためには「社内規則の整備」「マネジメント体制の見直し」「従業員の意識管理」という3つが重要です。

社内規則の整備

社内規則の整備では、主に就業規則の改定と労基署への届け出を行います。具体的には次のような対応が必要になるでしょう。

・就業規則変更
・労基署への届出
・労働者への通知
・労働基準法対応(労働条件の明示や労働時間など)
・労務管理方法の見直し

マネジメント体制の見直し

実際に顔を合わせることのないテレワーク・在宅勤務では、マネジメント体制の不備が生産性の低下を引き起こしかねません。下記3項目を意識した体制作りが望まれます。

・在席状況の可視化などによる「いつ、だれが、どこで何をしているか」の把握
・業務進行を定量的に判断できる仕組みの確立(KPI設定、目標の数値化)
・オンライン面談やリアルタイムチャットによるフォロー、アドバイス体制の構築

帰属意識、目標意識、モチベーションの仕組み化

テレワーク先進国である米国では、帰属意識・目標意識・モチベーションの低下がプロジェクトの生産性を悪化させるという結果が確認されています。ES(従業員満足度)調査や定期的なオンライン面談、ヒアリングなどを通じて従業員の意識をチェックしておきたいところです。

 

3.営業部門におけるテレワーク・在宅化のメリット


次に、営業部門におけるテレワーク導入のメリットに目を向けてみましょう。ここまで紹介した内容はあくまでも一般論です。実際には、職種や部門の特性に応じてメリットが変化します。特に営業部門は、対面を前提とする業務や属人的なノウハウに左右される業務が多く、テレワーク・在宅勤務制のメリットは限定的だと考える方も少なくありません。しかし、近年は営業部門であってもテレワーク・在宅勤務制を適用するメリットが増えています。そこで、営業部門のテレワーク導入による実際に期待できるメリットについて整理してみましょう。

商機の拡大

テレワークは、コロナ禍によって減少した商談機会の回復に効果があります。一部では「テレワーク化によって商談数が減った」という見方もありますが、プッシュ型営業からプル型営業への転換により、商談数をアップさせることが可能です。
プッシュ型営業では、能動的な訪問や電話、DM送付などによって顧客の需要を見つけ出し、商談につなげていきます。インターネットが発達した現代でもプッシュ型営業は有効ですが、コロナ禍では「対面・訪問」という重要なプロセスが忌避されるため、効果を出しにくいのが実情です。
一方、プル型営業はインターネット広告やオウンドメディアを通じて「顧客側からのアクセスを待つ」手法です。いわば「誘導」がメインであり、獲得したリードはインサイドセールスなどによって商談・契約へとつなげていきます。プル型営業はWebを中心として展開できるため、「非対面」を前提とするテレワーク・在宅勤務環境との親和性が高いのです。また、非対面とは言いつつも、実際にはオンライン商談ツールの活用で対面時と比べても遜色のない商談を行うことができます。

デジタル化による生産性向上

テレワーク・在宅勤務制への移行では、種々の「デジタル化」が行われます。営業部門においては、「CRMやSFAによる顧客データの統合と共有」などが該当するであろうCRMやSFAには、顧客との商談履歴や問合せ履歴、顧客の購入データ、属性などが蓄積されます。また、こうした情報は使いやすく加工された状態でナレッジベースとなり、営業担当者の間で簡単に共有することができます。
このように営業担当者の誰もが、場所や時間に縛られることなく重要な情報を参照できるため、「いつ、誰が、どういった商談を行ったか」「どの商談が、どの程度の角度で進んでいるか」「顧客が好む製品・サービスの傾向」などを把握しやすいのです。日々蓄積される「信頼性の高い情報」を活用することで、より小さな労力で商談・契約の成立を目指すことができます。また、商談につながりやすいリードソースへの人的リソースを集中させるなど、組織的な営業力強化対策も可能になるでしょう。

非常事態下でも売上を確保しやすい

テレワーク・在宅勤務制は、環境さえ準備できれば「物理的な移動を伴わない営業スタイル」を確立できます。緊急事態宣言時のように外出自粛・営業時間短縮が叫ばれる場合でも、顧客との接点を確保しやすいのです。これは、種々の自然災害やパンデミックに対しても同じことが言えます。

 

4.営業部門のテレワーク・在宅勤務導入時の課題と解決方法


では、実際に営業部門でテレワーク・在宅勤務制を導入する際に発生しがちな課題と、その解決方法を紹介します。

顧客とのコミュニケーションが難しい

テレワーク・在宅勤務制では、必然的に「顧客と対面で接触する頻度」が低下します。このことが、顧客とのコミュニケーションを停滞させ、商談数や契約数の低下につながるわけです。

解決方法

顧客との対面接触頻度については、「オンライン商談システム」や「ビデオ通話機能付きSFA」の活用などで十分に補うことができます。オンラインをベースとしたコミュニケーションは、双方の都合さえつけば非常に効率が良いからです。移動時間や物理的な場所の確保はほとんど必要ないため、日に2度・3度の接触も十分に可能です。実際に商談のオンライン化を進めた企業からは、テレワーク移行前に比べて顧客との接触頻度が増え、それに伴って商談数が3割から4割も増加したという報告もあります。

「管理」「情報共有」がしにくい

一般的な営業部門では、毎日のようにその日の活動内容を報告する義務があります。具体的には「商談日・取引先・営業担当者・商材・商談経緯・商談内容」など、「5W1H」に基づいた基本情報のほか、進捗や確度(見込み)、受注予定日や売上予測金額などを取りまとめて報告する必要があるでしょう。こうした情報が「非対面環境」で共有されない場合、部門全体の活動が停滞したり連携がうまくとれなかったりといった状況を招くことがあります。

解決方法

情報の「管理・共有」から発生する問題については、専用のICTツールを使うことで解決が可能です。例えば、クラウド型の業務管理ツールには、案件単位で細かな数値を記録・共有する機能があります。また、営業日報や見積書、請求書なども保存・共有できるため、テレワーク環境下でも対面環境と同様のスムーズな業務進行が期待できます。

セキュリティリスク

テレワーク・在宅勤務制におけるリスクのひとつに「セキュリティの低下」があります。オフィスに出社していたときは、物理的なセキュリティ(IDによる入室制限、鍵による施錠など)で保たれていた機密性が、オンライン化と同時に低下してしまうのです。特に顧客情報や社外秘情報といったセンシティブなデータに対しては、情報流出や不正アクセスに備えてセキュリティを高めていく必要があります。

解決方法

テレワーク・在宅勤務環境からの情報流出リスクに対しては、「暗号化」や「ログ管理」などが防止策となります。暗号化を施すことで、重要なデータが万が一外部に流出したとしても、内容を閲覧されるリスクが低下するでしょう。また、ログ管理を行うことで「誰がいつ情報を持ち出したか」が明確になり、流出経路の特定に役立ちます。
さらに「二段階認証」「IPアドレス制限」「項目レベルでの権限管理」を導入することで、不正アクセスのリスクを低下させることができます。二段階認証は2つのパスワードを段階的に使用する方式で、1段階式のパスワードロックよりもセキュリティ強度が向上する点が強みです。また、IPアドレス制限は、事前に登録されたIPアドレス以外からのアクセスを拒否するため、テレワーク・在宅勤務場所以外からのアクセスをブロックすることができます。さらに、項目レベルでの権限管理を施すことで、役職者や担当者以外の人間が重要な情報を閲覧するリスクが低下します。ちなみに、こうした機能は単一のパッケージによって一元化することで、運用の労力が小さくなるでしょう。

 

5.まとめ


ここでは、営業部門のテレワーク・在宅勤務制におけるメリットや課題、解決方法などを解説してきました。営業活動は“対面”“訪問”のイメージが強く、テレワーク・在宅勤務化が難しいとされる見方もありました。しかし、現在では制度・ツール・環境を整備することでテレワークでも十分に営業活動を行うことが可能です。テレワーク・在宅勤務を活用し、非常事態時でも継続的に成果を生み出せる営業スタイルを目指してみてはいかがでしょうか。

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