テレワークにおける営業マネジメント(営業管理)のポイント | ジョブマネ

最終更新日 2021.07.08

テレワークにおける営業マネジメント(営業管理)のポイント

テレワーク環境における課題のひとつに「マネジメント」があります。営業などフェイストゥフェイスを基本としていた職種ほど、問題になる傾向が高いようです。営業部門でもマネジメントが滞り、部門全体の生産性に悪い影響が出てしまうケースが少なくありません。テレワーク環境では、テレワーク特有の課題に対するアクションが必要です。ここでは、営業マネジメントの基礎をおさらいしつつ、テレワーク特有の課題に対する解決方法を紹介します。

記事の内容

1.営業マネジメントとは?


まず、営業マネジメントの基礎をおさらいしておきましょう。営業マネジメントは、営業活動を効率化し、その成果を底上げするための施策です。具体的には、以下のような管理を行うことが多いでしょう。

営業マネジメントの種類

・目標管理

営業目標(=決まった期間内に達成しなければならない売上)に対する、進捗や達成度合いを記録・管理します。具体的には、案件管理で得られた過去の売上から予測金額を算出し、次期の目標として設定・管理する方法が一般的です。また、個人のノルマ設定や顧客・販路ごとの営業活動の振り返りに使用するデータを得られるため、中長期の目線では特に重要な業務といえます。

・案件管理

案件の内容を5W1H(商談日・取引先・営業担当者・商材・商談経緯・商談内容など)で管理します。また、案件ごとの進捗や確度(見込み)、受注予定日や売上予測金額などの管理も含まれます。営業活動の肝となる情報を集中的に管理するため、短期目線で重要な業務と言うことができるでしょう。

・顧客管理

顧客の企業情報や担当者の情報、商談履歴、商談内容、進捗状況などを管理します。顧客管理は蓄積がものを言う業務です。また、営業部門だけでなく、マーケティング部門やカスタマーサポート部門でも顧客管理がうまく機能すれば、部門間でリアルタイムな情報共有が可能になり、顧客の状況に応じたアプローチで成約率を高めることも可能です。

・タスク管理

案件の各フェーズ(アポイントメント・提案・訪問・商談・クロージング)で発生するさまざまなタスクを管理する業務です。営業部門では、複数の案件を同時に並行することも多いため、タスク管理と優先度を意識した行動が求められます。こうした行動の内容や実施結果をまとめておくことで、改善施策に結び付けることも可能です。

・モチベーション管理

営業担当者のモチベーションを管理する業務です。営業部門は各担当者の裁量による業務が多いだけに、担当者個人のモチベーションによって成果が変動します。一般的には、定期的な面談や定例会議などでチェックすることが多いでしょう。物理的な会合が難しくなるテレワーク環境では、最もチェックしにくい内容のひとつです。

 

2.テレワークで発生する営業マネジメントの課題と解決方法


テレワーク環境に移行した企業からは「マネジメントの難易度が上がった」という声が少なからず聞こえてきます。そこで、テレワーク環境下でどのような課題を生じているのかを整理していきましょう。

連携が取りにくい

営業部門では、対面での会議や打ち合わせといった「アナログコミュニケーション」が日常的に行われています。こうした場面では、顧客へアプローチするタイミングを推し量ったり、競合との差異を明らかにしたりと、「密度の濃い情報伝達」をベースとした業務が存在していました。しかし、テレワーク環境では対面の機会が減ることにより、細かなニュアンスの伝達や情報共有が難しくなります。これは「連携」を要する業務に影響しがちです。特に、ひとつの案件に複数の営業担当者を配置するチーム営業では、タイミングを見計らったアプローチ(アップセル・クロスセルなど)やクロージングが難しくなることがあるようです。

予実管理が進まない

テレワーク環境では、毎日のように行われていた「報告」と「連絡」の頻度が低下しがちです。その結果、予算消化や売上実績などの集計が進まずに予実管理が形骸化してしまう可能性があります。さらに予実管理の形骸化は「目標達成までの進捗状況」「来期の予算策定」など、「今とあるべき姿」が可視化されないという事態を招くこともあります。これは、営業部門の中長期的なパフォーマンスを低下させる要因になりがちです。

営業担当者のリソースを把握しにくい

現在の営業部門は「少数精鋭」が基本となっていることが多く、高効率な人的リソースの活用が求められます。しかしテレワーク環境では「だれがどこで何をしているか」「だれがどれだけの案件を抱えているか」が見えにくくなるため、人的リソースに無駄が生じがちです。例えば、担当者Aは商談の機会が増えて業務量過多に陥り、Bは案件の停止で時間を持て余すなど業務量の平準が崩れてしまいます。その結果、営業効率が落ちて商機の逸失につながってしまうわけです。

モチベーションと帰属意識の低下

前述のリソース管理の課題がモチベーションや帰属意識に悪影響を及ぼすこともあります。テレワーク環境では、「業務量過多によって肉体的・精神的に疲弊している」「単独での作業が続くことで孤立感が増している」といった個々の問題が可視化されにくいためです。モチベーションと帰属意識の低下は生産性の低下に結びつくこともあるため、早急に対処すべき課題といえるでしょう。

SFAのみで全てを解決!は難しい場合も

これらテレワーク環境における営業マネジメントの課題は、「遠隔地同士の情報伝達における”濃度”と”頻度”をどう担保するか」という点に集約されます。したがって、営業部門の業務事情に即した情報共有ツールで解決できることが多いでしょう。つまり「SFA(営業支援システム)」の活用です。SFAは、営業活動を定量化・数値化して蓄積したり、情報共有のための可視化したりといった機能を備えています。しっかりと使いこなしさえすれば、SFAによってテレワーク環境の営業マネジメントを補完することができるはずです。

ただし、SFAも万能ではありません。SFAは情報集約・可視化に威力を発揮する一方で、コミュニケーションや共同作業の効率化までは達成しにくいことが多いからです。また、2021年時点でSFAの大半が統合型パッケージであり、使いこなすまでに相応のトレーニングやコストが必要なことも考慮すべきでしょう。不慣れな環境での業務に加え、使いこなすまでの学習コストが必要になることから、活用が進まないこともあるようです。

 

3.テレワークでの営業マネジメントは「複数のツール活用」が最適


そこで、SFA以外の解決方法も検討してみましょう。営業マネジメントをテレワーク環境にフィットさせるためには、「それまでの営業スタイルをいかにスムーズにオンライン化するか」という点に着目します。例えば、SFAを中心として営業マネジメントの基礎をつくり、そこに従来のアナログコミュニケーションなどを組合せることで、比較的スムーズに営業マネジメントのオンライン化が進むでしょう。このとき必要になるツールとしては、以下のようなものが挙げられます。

グループウェア

グループウェアは社内の事務作業や連絡・報告を円滑に進めるだけでなく、コラボレーション作業の効率化にも効果があります。具体的には、経費申請や休暇申請などの申請・承認作業を効率化しつつ、ワークフローの可視化が進みます。また、チーム営業で発生する見積書・提案書の共同作成や、細かな連絡のやり取りもグループウェアによってカバーできるでしょう。非対面が原則となるテレワーク環境でも、オフィス出社時と遜色のない業務遂行が期待できます。

チャットツール

チャットツールの活用によって、チーム単位での営業活動やモチベーション管理がスムーズに進みます。また、顧客との手軽な接触方法としてチャットを設置することで、商談数の増加も期待できるでしょう。チャットツールは、SFAやCRMに内包されていることも多いため、単独で導入する必要性は低いかもしれません。ただし、リアルタイム性や動作の軽さ、添付ファイルの容量制限などを加味しながら選定するようにしましょう。

またテレワークにおけるコミュニケーション不足の問題もチャットツールで緩和が期待できます。

CRM

CRMは、顧客と接する中で得られたデータ(顧客の属性・購入履歴・問合せ履歴など)を一元的に管理するシステムです。また、顧客ニーズやインサイトの発掘にも効果を発揮します。CRMはもともと、マーケティング部門で活用されるツールでしたが、営業部門との連携ポイントとして使用する企業が増えているようです。特に営業担当者がマーケティングも兼務する場合には、CRMのデータがマネジメントの精度向上に役立つ可能性が高いです。以下は、CRMが持つ主な機能です。

・顧客情報管理機能:顧客の属性や問合せ履歴などを管理する機能
・データ分析機能:問合せ、商談、契約および購入履歴を蓄積し、顧客ニーズやインサイトの発掘につなげる機能
・マーケティング支援機能:メルマガ発行やキャンペーンなどの実施と効果測定を支援する機能
・他システム連携機能:ERPやSFAと連携し、製品情報や顧客情報の相互利用を可能にする機能

オンライン面談ツール

オンライン面談ツールは「ビデオコミュニケーションツール」と言い換えても良いでしょう。このツールの強みは「アナログなコミュニケーション(電話、対面、会議など)」を代替し、濃い情報伝達を支援できる点です。特に、One on Oneの利用を想定した資料共有機能付きのビデオ通話ツールであれば、オフライン時の面談と何ら変わりないコミュニケーションが可能になるため、テレワークにおいても効果的です。担当者のモチベーション管理や顧客との面談など、社内外の活動で広く活用することが出来ます。

「オールインワンツール」でテレワーク環境での営業マネジメントをスムーズに

このように複数のツールを併用することで、テレワーク環境でも営業マネジメントの質を保つことができます。しかし、複数のツールを運用するには、また別のリソースが必要になることから、導入に二の足を踏む企業も少なくないようです。そこで、「クラウド型オールインワンツール」の活用を検討してみてください。

クラウド型オールインワンツールには、SFA・CRM・グループウェア・チャットツールなどの機能のうち、営業部門で使用頻度が高いものが集約されています。営業マネジメントに必要な「各種数値の管理」「グループ内の情報共有」「モチベーション管理のためのコミュニケーション」が、ひとつのツールで解決できるのです。また、複数のツールを業務にフィットさせる作業も不要で、従来のアナログコミュニケーションの良さをスムーズにテレワーク環境に適用することができます。

 

4.まとめ


ここでは、テレワークにおける営業マネジメントの課題と解決方法について解説してきました。テレワーク環境での営業マネジメントは、難易度が高い業務が多く、テレワーク移行時のハードルになることも珍しくありません。しかし、複数のツールを活用することで十分に乗り越えることができます。営業マネジメントに必要な機能を低コストで、手軽に導入できるクラウド型オールインツール活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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このコラムを書いたライター

ジョブマネ運営事務局 マーケティング担当
ジョブマネ運営事務局 マーケティング担当
新卒で都内の営業支援会社にて新規開拓営業に従事し、大企業向けにwebチャットツールの提案営業を行う。沖縄に帰郷後、salesforceの代理店にて中小企業向けの業務改善に従事。現在は自社開発業務改善ツール「ジョブマネ」のwebマーケティングに従事し、少しでも多くの中小・零細企業の業務改善ができるよう日々奮闘中。