エクセルで請求書を管理する方法!効率的な請求書管理とは?

請求書を管理したい場合、エクセルを活用すれば導入費用やランニングコストもかかりません。
しかし、「エクセルでどのように請求書を管理するの?」「取引先が増えても、請求書をエクセルで管理していいの?」と疑問に思う方は多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、エクセルを使って請求書を管理する方法を解説します。
請求書管理をより効率的に行えるツールも紹介するので、請求書管理でお悩みの方は最後までご覧ください。
記事の内容
請求書は円滑な業務管理を行うために適切な管理が必要
企業における円滑な業務運営・管理においては、請求書の適切な管理が欠かせません。
請求書は、日々の経理業において頻繁に取り扱う重要な書類です。正しく管理することによって、入金状況や支払い予定を把握でき、ミスのないキャッシュフロー管理へとつながります。
ここからは、請求書の適切な管理がなぜ必要か詳しく確認していきましょう。
取引を証明するものなので法律上保存義務が発生する
請求書の適切な管理が大事な理由の一つが、法律上保存義務が発生するためです。
請求書は、取引があったこと・取引の内容を表す重要な証憑として法的効力があるため、税法上にて保存が義務付けられています。
保存期間は適用される法律や事業形態に左右されますが、法人と個人事業主における保存方法の違いは以下の通りです。
- 法人:確定申告書の提出期限の翌日から7年間(赤字が出た事業年度の請求書は10年間)※1
- 個人事業主:青色申告者・白色申告者どちらも、確定申告書の提出期限の翌日から5年間(消費税の課税事業者となっている個人事業主は7年間)※2
法人・個人事業主ともに、請求書が発行された期日からではなく、確定申告の提出期限翌日から起算する点に注意しましょう。そのため、法人の場合は設定している決算月によって起算日が異なります。
法人の確定申告期限は、事業年度が終了した翌日から2ヶ月以内です。決算月を4月に設定している場合、確定申告の期限は6月30日となります。したがって、請求書の保管期間は7月1日からの起算です。
一方、個人事業主の場合は、毎年の3月15日(3月15日が土・日・祝にあたる場合は後ろ倒し)と決められているため、基本的には3月16日から起算されることを押さえておきましょう。
また、請求書を保存する際に電子データを扱う場合、電子帳簿保存法に則した管理が求められます。最新の法令を考慮しながら、適切に保存するよう心がけてください。
※1出典:No.5930 帳簿書類等の保存期間|国税庁
※2出典:記帳や帳簿等保存・青色申告|国税庁
顧客の入金情報を漏れなく確認するために適切な管理を行う
請求書を適切に管理することによって、顧客の入金情報を漏れなく把握することができます。
例えばエクセルを使って管理する場合は、次の項目を表にまとめて管理する方法が一般的です。
- 請求書番号
- 請求日
- 請求金額
- 消費税
- 支払期限 など
また、各請求書のステータス管理も行えるように、「未対応」「支払い済み」などの項目をプルダウンで設け、進捗状況を把握できる仕様としましょう。これにより、重複支払いや支払い漏れを未然に防げます。
また、受領した請求書と送付した請求書は、一つのシートではなく別々の管理がおすすめです。シート分けして一覧化することで、よりスムーズに管理できるようにしてください。
しかし、エクセルでの管理は手作業が増えてしまうため、ミスや更新漏れなどが発生する可能性が少なくありません。ミスなく管理したい場合には、エクセルではなく別途システムを導入することも検討しましょう。
エクセルで請求書を効率よく管理する送付側の3つの手順
エクセルで請求書を管理する場合、手作業となるため効率が悪くなってしまう場合があります。
できる限り効率よく管理するために、請求書を送付する際に以下の3つの手順・ポイントを押さえておきましょう。
- 入金や納品ミスを防ぐために請求書管理表を作成する
- 関数を使ってテンプレートを自動作成することで手間が省ける
- 顧客別に請求書控えの保管フォルダを作成する
入金や納品ミスを防ぐために請求書管理表を作成する
請求書をエクセルで管理する場合、ミスが起こらないように最大限配慮しなければなりません。
万が一請求書の管理ミスが起こった場合、企業のキャッシュフローに影響が生じます。支払い漏れによって、取引先からの信頼を失うリスクもあるでしょう。
そのため、ミスなく管理できるようにわかりやすく使いやすい管理表を作成する必要があります。先にもお伝えした通り、顧客名や請求書番号、発行日、請求金額などの項目を記載して管理してください。
「特定期間の請求書を一覧で確認したい」「取引先別で一覧化したい」というニーズがある場合には、フィルター機能を使用して情報を絞ってください。
関数を使ってテンプレートを自動作成することで手間が省ける
請求書作成や管理をエクセルで行う場合、手作業が多い点がネックです。
しかし、もしもVLOOKUP関数を活用できる場合は、請求書の自動作成も可能となります。顧客コードの入力だけで、顧客名や住所などの基本情報を自動で入力できるようにしましょう。自動化することで、請求書作成のミスを減らせます。
また、IF関数と組み合わせて利用すれば、請求書の取引内容に合わせて支払い期限なども自動で入力可能です。前もって製品リストを作成しておく必要はありますが、VLOOKUP関数による自動取得でミスなく入力できます。
また、請求書の小計にはSUM関数を、税率別の消費税額はROUNDDOWN関数などを使用して計算することで、計算ミスを予防可能です。請求書発行日から支払い期限を自動で算出したい場合は、日付関数を活用してください。
これらの自動化により、請求書作成時間を大幅に短縮でき、人為的ミスも減少します。マクロを組み込めば、ボタン一つで請求書のPDF保存や印刷も自動化できるでしょう。
マクロを組み込むことによって請求書を自動作成することも可能ですが、毎月請求内容が変わる場合にはあまりおすすめできないため注意してください。
顧客別に請求書控えの保管フォルダを作成する
請求書を適切に管理するためには、顧客別に請求書控えの保管フォルダを作成しましょう。
請求書の検索・取り出しがしやすいように、フォルダ名は顧客名+顧客コードなどで統一して保存することをおすすめします。より請求書を検索しやすくするには、フォルダ内に月別でサブフォルダを設けることも効果的です。
また、請求書のファイル目にも配慮が必要です。顧客コード+請求書番号+金額+発行日などで統一しておくことで、その後の管理がスムーズになります。内容が改ざんされるリスクも抑えたい場合は、PDFファイル形式で保存しましょう。
テレワークにも対応したい、いつでも請求書を確認したいという場合は、クラウドストレージの活用がおすすめです。データ損失のリスク軽減にも効果的なため、ローカルでの管理だけでなくクラウドサービスの利用を検討してください。
エクセルで請求書を管理するポイントはデータの探しやすさ
エクセルで請求書を管理する際、重要になるのがデータの探しやすさです。適切にデータを整理することで、検索を簡単に行えます。
- フィルター機能で指定した条件に沿った請求書のみ表示する
- VLOOKUP関数で請求書番号から情報を検索する
- ピボットテーブルで売上集計を行う
上記のような工夫を凝らすことで、請求書関連のデータをすぐに確認できます。
また、次のポイントを押さえておくことも重要です。
エクセルの条件付き書式を使って入金情報のステータス管理を行う
請求書管理において重要なのが、入金情報を適切に把握することです。入金・支払い状況についてリアルタイムに把握できなければ、後々のトラブルにつながってしまいます。
請求書の入金状況・支払い状況などを把握するためには、エクセルの条件付き書式がおすすめです。支払い期日まで1週間の請求書は黄色に、期日前日になった請求書は赤色にするなどして、支払いの遅延が起こらないように対策を取りましょう。色分けで管理することで、視覚的にすぐ把握可能です。期日までの残り日数をよりわかりやすく把握したい場合は、数式を活用して色の濃淡をつけることもおすすめします。
また、管理表をよりわかりやすいビジュアルにしたい場合、アイコンセットの使用も効果的です。矢印マークやフラグマーク、信号機マークなどを使用すれば、入金情報や支払状況などが一目でわかるでしょう。
毎月の入金率を確認する場合にはデータバー、重複請求を防止するにはハイライト機能を活用するなど、さまざま機能を組み合わせながら請求書を管理してください。
取引先ごと・月ごとに請求書控え保管フォルダを作成する
エクセルを使って請求書を適切に管理するには、「顧客別に請求書控えの保管フォルダを作成する」でも解説した通り、保管フォルダを作成して管理することをおすすめします。
フォルダで管理する際、重要となるのが論理的なフォルダ構造です。顧客別に管理するのはもちろん、年月ごとで管理し、探している請求書をすぐに取り出せる仕様としましょう。
また、命名規則を設けてファイル名を統一することも欠かせません。ファイル名がバラバラだと検索性が下がってしまうので、請求年月+顧客名+請求コードや、顧客コード+発行日+支払い期日など、一目でわかるタイトルを付けましょう。
ファイル管理や共有をスムーズに行うには、クラウド上で利用できるストレージサービスがおすすめです。エクセルの管理表にハイパーリンクを設定しておけば、PDFデータへすぐにアクセスできる点も助かります。
上記のように工夫して適切に保管することで、税務調査が入った場合にも円滑に対応可能です。
エクセルで請求書を管理するデメリットは手間がかかる点
ここまでエクセルを活用した請求書管理について説明してきましたが、エクセルを活用することによってデメリットがあることも忘れてはなりません。
エクセルで管理する場合、ある程度は管理を自動化できますが、複雑な処理は不可能です。マクロを組み込んだとしてもできる範囲に限界があり、請求内容が毎月変わる場合は管理しづらくなってしまいます。
その他にも、主に次のようなポイントがエクセル管理のデメリットです。
- 取引先が増えると経理担当者の管理・運用コストが負担になる
- 手作業で入力するので人為的なミスが発生する可能性がある
- エクセルは同時編集ができないのでチームでの管理に不向き
取引先が増えると経理担当者の管理・運用コストが負担になる
エクセルでの請求書管理は、取引先が少ない場合にはスムーズに行えます。しかし、企業が成長するに伴って取引先が増えた場合、エクセルでの管理が難しくなってしまう点に注意が必要です。
請求書管理を行う場合、請求日や振込先口座、支払い条件など、取引先ごとにさまざまな項目を管理しなければなりません。取引先が少ない間は無理なく管理できても、30社、50社、100社と増えていくに従って、管理はおろかデータ入力だけでも大きな負担となるでしょう。
また、管理が必要なエクセルファイルも増えてしまい、必要な請求書を取り出すのにも時間がかかってしまいます。参照したいデータをすぐに検索できなければ、取引先からの問い合わせがあった際にも迅速に対応できません。
上記のような状況でエクセル管理を続けることは、経理担当者にとって大きな負担です。これまでの人数では対応が難しくなり、より多くの人員を確保するために採用費や人件費もかさんでしまいます。
運用コストをできる限り抑え、限られたリソースでも多くの請求書を管理したい場合、エクセルの活用はおすすめできません。
手作業で入力するので人為的なミスが発生する可能性がある
エクセルで管理する場合、多くの部分が手作業によって行われます。そのため、人為的なミスが発生しやすい点もデメリットです。
エクセルでは、請求書の金額や日付といった重要な箇所も手作業で入力します。また、簡単に計算できるように計算式を設定しても、設定自体が誤っている場合も少なくありません。
「ちょっとした入力ミス・計算ミスであれば気にする必要はない」と思う方もいるかもしれませんが、請求書におけるミスは後々の重大なトラブルにつながります。請求内容に誤りがある、消費税率が間違っているなどのミスが発生した場合、取引先からの信頼を失うリスクもあるでしょう。
扱っている請求書の数が多い場合、ミスが生じていてもすぐには発見できません。そのため、気づかぬままに請求書を発行してしまい、取引先に謝罪や説明が必要になることもあります。また、急いで修正作業を行わなければなりません。
上記からわかる通り、小さなミスであっても会社に大きな影響を及ぼすため、手入力の多いエクセルでの管理はリスクが高いといえます。
エクセルは同時編集ができないのでチームでの管理に不向き
クラウド版のエクセルではなく従来のエクセルを使用している場合、データの同時編集ができません。誰かがファイルを開いている場合、閲覧のみであれば問題ないですが、内容を編集することは不可能です。そのため、ファイルをコピーして新しいデータを作成し、後から統合させるといった面倒な方法をとる必要があります。
この場合、複数人・複数部で請求書を管理している場合、非常に非効率的です。例えば、営業担当者が新たに情報を入力している場合、同じタイミングで経理担当者が支払い確認を行いたくでも、作業を進められません。
また、コピーを作成して統合するといった方法を繰り返していると、いつの間にかいくつものバージョンが存在してしまいます。「どのファイルのデータが合っているのか」「最新版はどれか」など、データの正確性に支障を来してしまうでしょう。
「クラウド版に移行すればいい」と思う方も多いかもしれませんが、従来版のエクセルからクラウド版へ移行するのは手間がかかり、コストも発生してしまうため注意が必要です。
手間なく効率的に請求書を管理するなら「ジョブマネ」
エクセルを使った請求書管理は、取引社数が少ない間は問題ないものの、増えていくにつれ管理が煩雑になってしまいます。適切に、なおかつ効率的に管理するには、クラウドシステムの導入が効果的でしょう。
そこでおすすめしたいのが、クラウド型業務管理システム「ジョブマネ」です。請求書管理だけでなく、顧客管理やワークフロー、商談管理、見積管理など、さまざまな機能を一元化したオールインワンシステムとして人気を集めています。
- 初期費用がかからないため気軽に導入できる
- 月額費用もリーズナブルで続けやすい
- 画面設計がわかりやすいため誰でも簡単に使いこなせる
- 30日間の無料トライアルで使いやすさを確認できる
上記のようなメリットを持ち合わせているため、業務効率化につながるクラウドサービスをお探しならぴったりです。
また、請求書管理に関しても以下の3つのメリットがあげられます。
ジョブマネを使えば複数の取引先の請求書一元管理できる
ジョブマネを導入することによって、多くの取引先と請求書をやりとりしている場合も、一つのシステムで一元管理が可能となります。
これまではのエクセル管理では、取引先ごとに個別のファイルで管理する必要がありました。一方、ジョブマネであれば請求書データを一元管理でき、「A社へ送った請求書はどこにあるのか」と迷うこともなく、データ検索の時間を大きく節約できるでしょう。
また、ジョブマネには請求書作成機能もあるため、見積管理機能と連動し自動で請求書を作成できます。請求書を手作業で作成する手間がかからないため、入力ミスが発生することも、重複請求が発生することもありません。
クラウド型システムなので、いつでもどこでもデータにアクセスできるのもうれしいポイントです。テレワーク中や、取引先への移動中であってもいつでも参照でき、効率的なデータ管理をかなえます。
請求書送付日や入金予定日が一目でわかる
ジョブマネでは、請求書の送付日・請求書発行日付・入金予定日などを一覧化して管理できます。請求書発行ページからいつでも確認できるため、請求書に関する状況を一目で把握したい場合に便利です。
各請求書の発行状況も視覚的に把握できるため、入金遅延や回収漏れなども未然に防止できるでしょう。
エクセルで管理する場合も、請求書送付日や入金予定日を管理することは可能です。しかし、従来のエクセルの場合はクラウド上でデータを管理できないため、リアルタイムな状況管理が難しくなってしまいます。
請求書情報をクラウドで管理したい場合は、ジョブマネのような業務効率化システムが効果的です。ジョブマネであればインボイス制度にも対応しているため、最新の法改正に則り請求書発行・管理が可能となります。
ジョブマネの絞り込み機能で取引先ごとに請求書を確認できる
ジョブマネの絞り込み機能を使用することで、取引先別の請求書管理も可能です。
エクセルで管理する場合、エクセルのフィルター機能を活用するか、取引先別のフォルダを作成することで情報を絞り込めます。しかし、従来のエクセルでは同時編集やリアルタイムなデータ管理が難しいため、複数人での管理には向いていません。
一方ジョブマネであれば、クラウド上でデータの管理・共有を簡単に行えるだけでなく、絞り込み機能を活用することで、参照したい請求書を簡単に取り出せます。