経費精算をリモートワークで行うために準備することとは?
新型コロナウイルス感染症の影響をきっかけに、急速に広がったリモートワーク。2022年5月現在も、リモートワークは一定程度定着傾向にあると伺えます。
しかし、そのようななか経費精算業務に関しては、紙ベースでのアナログな方法を採用している企業が未だに多く、経理担当者をはじめとする関係者が出社を余儀なくされている状況です。
そこで本記事では、経費精算業務の現状や、リモートワークで経費精算業務をしにくい理由を紹介するとともに、経費精算業務をリモートワークで行うための準備などを解説していきます。
記事の内容
1. 経費精算=出社しなければならない?
まずは、経費精算業務の現状と、経費精算業務のリモート化によるメリットについて解説します。
1−1.経費精算業務の現状
公益財団法人 日本生産性本部が公表した「第9回 働く人の意識調査」(調査期間:2022年4月11・12日)によると、日本の企業のテレワーク実施率は20.0%でした。従業員規模に注目すると、従業員規模が100名以下の企業のテレワーク実施率は11.1%と、特に低い結果であることがわかります。
リモートワークを導入できない・定着しないのにはさまざまな事情が考えられますが、その一つに、経費精算業務のあり方が挙げられるのではないでしょうか。経費精算業務に関しては、「すべて紙でやりとりしているため関係者が出社しなければならない」「リモートワークでは書類への押印ができない」などといった状況が未だに多く見受けられます。
参考:第9回 働く人の意識調査 | 調査研究・提言活動 | 公益財団法人日本生産性本部
1−2.経費精算業務のリモート化によるメリット
リモートワークで経費精算業務をできるようにすることは、何より業務効率化を図れるメリットがあります。手入力・手作業での業務を効率化するだけでなく、ミスの発生を予防する効果もあるでしょう。そのため、申請者(従業員)、承認者(上司)、経理担当者全員の手間や負担の軽減が可能です。
なかでも、次のような企業は、経費精算業務のリモート化により大きなメリットが得られるでしょう。
・経費精算業務の業務量が多い
・経費精算業務が属人化している
・経費精算業務への人員確保が難しくなってきている
・セキュリティ対策を強化したい
2. リモートワークで経費精算業務をしにくい原因
経費精算業務のリモート化が進んでいないのには、いくつか原因があります。その原因とは、おもに次の3点です。
・押印作業がある
・請求書・領収書は紙ベースでなければならない
・小口現金を扱っている
それぞれの原因について、以下で解説していきます。
2−1.押印作業がある
紙ベースの方法を採用している企業の場合、一般的に、従業員が経費精算の申請書類を作成する際には、申請者として押印をしなければなりません。同時に、その申請書類には、上司からも物理的に承認印をもらわなければならない状況になっています。
これらの押印作業によって、従業員も上司も “押印のための出社” を余儀なくされているのが現状です。
2−2.請求書・領収書は紙ベースでなければならない
経費精算の際に、請求書や領収書は紙の原本がなければ処理を進められない仕組みとなっているケースがあるでしょう。
「各種申請書類に原本を添付して回覧する」というルールがある以上、リモートワークでの対応が難しくなってしまいます。
2−3.小口現金を扱っている
小口現金とは、交通費・消耗品費・通信費など、日々発生する少額の経費をスムーズに精算するため、あえて手元に置いておく現金のことです。事前に支出の予定がわかっている場合に、従業員へ小口現金から支払いをしておいたり、従業員が経費を立て替えた場合に、精算として小口現金から受け取ったりします。
小口現金を扱っている企業では、お金の手渡しでのやりとりが発生するため、リモートワークができなくなるでしょう。
3. 経費精算業務をリモートワークで行うための準備
ここでは、経費精算業務をリモートワークで行うために、あらかじめ準備しておくべきことについてご紹介します。
3−1.システム導入による申請・承認業務のデジタル化
従来の経費精算業務の大まかな流れは下記になります。
(1)申請者である従業員が紙で申請書類を作成する
(2)関係者へ回覧するとともに、承認者である上司へ直接提出する
(3)上司の確認後、上司から押印をもらう
(4)経理担当者へ提出し、精算する
システムの導入によって、それらをすべてデジタル化する必要があります。電子印を使用することができれば、直接の押印も不要になるでしょう。経費精算業務を行えるクラウドシステムなら、インターネットに接続できる環境さえ整えばいつでも・どこでも利用できます。
3−2.請求書・領収書のペーパーレス化
まずは、経費精算業務に使用する請求書や領収書について、原本である必要性を再考すべきでしょう。各種書類をPDFデータなどでの確認で済ませることができれば、ペーパーレス化を実現できます。
請求書・領収書などがペーパーレス化すれば、原本を紛失するリスクも抑えられるメリットがあります。
3−3.小口現金の廃止
法人用のクレジットカードを用意する、口座振込に切り替えるなどの方法で、手渡しでやりとりしていた小口現金を廃止することは可能です。
これまでの慣習として小口現金を運用しているケースも多いと想定されますが、決済手段が多様化している今、その必要性を再考すべきタイミングといえるのではないでしょうか。
3−4.コミュニケーション手段の確保
経費精算の申請内容にミスがあったときなど、いざというときに修正対応に手間取らないよう、コミュニケーション手段の確保も重要です。代表的なコミュニケーション手段として、チャットツールが挙げられるでしょう。
3−5.規定・ルールの変更
経費精算業務に関する従来の規定・ルールをあらためて見直し、デジタル化・ペーパーレス化に対応できるよう、変更すべき点を洗い出しましょう。
リモートワークにスムーズに移行できるよう、変更点はしっかりと従業員に周知する必要があります。
3−6.その他
その他、経費精算業務に限ったことではありませんが、リモートワークでは最低限以下のものが必要になります。
・作業用のパソコン・マウス・キーボード
・インターネット接続環境
・スマートフォンなどの携帯端末
また、Web会議などを行う場合は、マイク・イヤホン・Webカメラなども準備しておくとよいでしょう。
¥1,000~/月で1名からご利用可能な「ジョブマネ」の経費精算機能では、経費精算書をPDFで出力したり電子化した領収書を添付できるため、紙や表計算ソフトで行っていた経費精算業務をペーパーレスで容易に行えます。下記より経費精算機能の詳細をご覧ください。
4. システム選定時のチェックポイント
経費精算業務をリモートワークで行う際、システムの導入が必要になります。
経費精算関連のシステムを選定するにあたり、チェックすべきおもなポイントは、以下のとおりです。
・承認フローは柔軟に設定できるか
・進捗状況をリアルタイムで把握できるか
・リモートワークでも安全性を確保できるか
それぞれのチェックポイントについて、見ていきましょう。
4−1.承認フローは柔軟に設定できるか
経費精算業務を行うシステムでは、自社の状況や申請の種類(内容)によって、承認フローを柔軟に設定できる機能がポイントになります。
承認フローの設定について、登録できる申請の種類が限定されてしまうと、回覧する必要のない人にまで回覧せざるを得ないなどの不都合が生じてしまうでしょう。
4−2.進捗状況をリアルタイムで把握できるか
経費精算業務を効率化するには、「あの申請は今誰が確認しているのか?」「どこで止まっているのか?」といった、“見えないこと”で生じる不安や確認の手間をなくすことが大切です。したがって、各種申請の稟議状況を一目で把握できるシステムを選ぶようにしましょう。
4−3.リモートワークでも安全性を確保できるか
システムのセキュリティ対策がどうなっているかを確認し、自社の基準と照らし合わせて問題ないかを考えてみてください。
また、権限設定や更新履歴の表示など、リモートワークでも安全性を確保するための機能が搭載されているかもチェックすべきポイントです。
5. 「ジョブマネ」を活用すれば経費精算もリモートワークが可能に!
グループウェア&業務管理ツールの「ジョブマネ」は、グループウェア、営業支援(SFA)、顧客管理(CRM)、基幹システム(ERP)がデータ連携しているオールインワン型のクラウドツールです。
ジョブマネには合計17の機能が搭載されており、経費精算においては「経費精算機能」や「ワークフロー機能」を活用できるでしょう。
経費精算機能では、電子化した領収書などのデータをファイル添付し、経費精算を行えます。
また、ワークフロー機能では、「申請種類」および「申請種類ごとの承認者」を自由に追加・設定できるため、自社の状況に合わせて活用可能です。稟議状況も、パソコンだけでなくスマートフォンからもリアルタイムで把握できます。
ジョブマネには、全機能を試すことができる30日間の無料トライアルがあります。この機会に、経費精算機能やワークフロー機能を試してみてはいかがでしょうか。
経費精算機能について詳しくはこちら
ワークフロー機能について詳しくはこちら
6. まとめ
経費精算業務は、紙ベース・押印・小口現金といったアナログな方法を採用している場合、リモートワークで行うことは難しくなってしまいます。
経費精算業務をリモート化するため、まずは以下の準備から始めましょう。
・システム導入による申請・承認業務のデジタル化
・請求書・領収書のペーパーレス化
・小口現金の廃止
・コミュニケーション手段の確保
・規定・ルールの変更
シンプルな入力画面で操作性が高く、フォロー体制も整っている「ジョブマネ」なら、新たに経費精算のデジタル化に踏み切る場合でも、導入から定着までスムーズです。
まずは無料トライアルを活用し、各機能と自社との相性を確認してみてはいかがでしょうか。