営業部門の業務効率化方法とは?対象業務と具体的な効果を解説 | ジョブマネ

最終更新日 2021.08.10

営業部門の業務効率化方法とは?対象業務と具体的な効果を解説

営業部門はどちらかと言えば属人的な業務が多い部門です。そのため、「効率化は難しい」「メリットがない」と考える企業も少なくないようです。その一方で、テレワークの普及やオンライン取引の一般化、インサイドセールスの台頭といった事情から、営業部門にも生産性が一層重視されるようになっています。こうした流れを受けて、業務の標準化や定量化を進める企業が増えています。今、営業部門には効率化の波が到来していると言えるでしょう。ここでは、効率化の対象とすべき業務やそこで役立つITツールなどを紹介します。

記事の内容

1.業務効率化とは何を指すか?


一般的に業務効率化とは、「ムダ・ムリ・ムラを無くすこと」だと考えられています。また、ムリ・ムダ・ムラを無くすことで次のようなメリットが発生します。

業務効率化がもたらす一般的なメリット

・時間短縮

業務の遂行にかかる時間が短縮され、コア業務へ投入する時間を増やしたり、残業時間の短縮につながったりといった副次的な効果を生み出すことが多いでしょう。

・人件費削減

業務効率化が進むことで、業務の統廃合が進めば、それだけ「人手」も減らすことができます。その結果、人件費(=固定費)の削減が期待できます。

・生産性の向上

上記2つのメリットがうまくかみ合うと、「労働生産性の向上」が期待できます。労働生産性は「従業員ひとりあたりの付加価値」とも言い換えられます。つまり、「少ない人手で、より大きな付加価値を生み出していく様子」が労働生産性の向上です。営業部門であれば、労働生産性の向上によって、担当者ひとりあたりの売上や契約金額などを大きくすることができます。このことから、業務効率化は単なるコスト削減対策ではなく、「売上や収益につながる攻めの施策」と言うことができます。

業務効率化の一般的な例

では、一般的な業務効率化の事例についても把握しておきましょう。業務効率化のよくある事例としては次のようなものが挙げられます。

・紙資料の電子化

紙資料を電子化し、書類作成・編集・廃棄・保管にかかるコストを圧縮する方法です。即効性が高く、どの企業でも一定以上の効果が見込める施策です。

・情報共有の自動化

対面や口頭での情報共有には、想像するよりもはるかに多くの労力が投入されています。情報共有の自動化が進むことにより、会議や打ち合わせ、連絡・報告の頻度を減らし、コア業務に投入する時間を増やすことが可能です。情報共有の自動化対策としては、顧客データベースやワークフローツールの活用などが挙げられます。

 

2.営業部門で効率化すべき業務の種類


では、営業部門において効率化すべき業務と、そこで発生している課題を整理していきましょう。なお、ここでは「エクセルなどを用いた手入力を原則として業務を進めており、ドキュメントの一部は紙の状態」を想定しています。

顧客管理

顧客管理は、顧客企業や担当者の情報を管理するだけではなく、商談履歴・商談内容・進捗状況の管理も含みます。つまり、日々蓄積されていく情報を整理する業務が発生するわけです。また、顧客情報はマーケティング・カスタマーサポートなどでも使用するため、こうした部門とのやり取りも発生する可能性があります。

・顧客管理の課題

エクセルへの入力・更新に手間がかかるだけでなく、更新漏れや誤記載のリスクも発生します。また、名刺の打ち込み作業や商談履歴の入力作業などにリソースを奪われ、コア業務が進まない可能性もあるでしょう。

案件管理

進行中の案件に対して、5W1H(商談日・取引先・営業担当者・商材・商談経緯・商談内容など)のほか、案件ごとの進捗や確度(見込み)、受注予定日・売上予測金額の管理などを行います。

・案件管理の課題

案件管理は管理すべき項目が非常に多いことが特徴です。さらに、日々状況が変化するため、時系列に沿ってリアルタイムな更新を続けると「ムリ・ムダ」が積み重なっていきます。

原価管理

原価管理では、売上から営業利益を算出するために、売上原価や販管費を管理する業務が含まれます。

・原価管理の課題

原価管理をそれぞれの担当者がエクセルベースで行うと、管理が属人化していきます。そのため、集計にタイムラグなどが生じ、収益管理が進まないことがあります。また、同じ商品を売っても利益が違うなど、原価管理の不透明さから収益性が悪化する可能性もあるでしょう。

見積り

商談やヒアリングの内容をもとに製品・サービスの概算金額を計算し、見積もり書を作成します。

・見積りの課題

都度見積りの場合、過去に似たような案件があるにもかかわらず、ゼロから見積もりを作成するなど無駄な時間をかけてしまうことがあります。また、見積り根拠が不透明で、顧客への説明に時間を要することもあるでしょう。さらに見積り手法が属人的で、担当者の離職などでノウハウが失われるリスクもあります。

請求、入金確認など決済関連業務

請求書の作成と送付、入金消込、経理担当部署への連携、未入金のリストアップと督促といった業務が含まれます。

・決済関連業務の課題

お金が絡む業務だけに、案件の規模に関わらず精神的な負荷が大きくなりがちです。また、金額の大小にかかわらず定期的に発生する業務だけに、必ず一定のリソースが必要になることも特徴です。

 

3.営業部門の業務効率化を促進するITツール


では、これまで紹介した内容をもとに、各業務の課題を解決する方法を紹介していきます。端的に言えば、営業部門の業務は、その大半が「デジタル化」で解決できるものばかりです。そこで、課題解決のために役立つツールとその効果を見ていきましょう。

顧客管理

顧客管理で生ずる課題に対しては、「CRM」の活用が有効です。CRMを活用することで、部門内の誰もがリアルタイムな顧客情報を閲覧できるようになります。CRMは専用の顧客データベースを容易に構築できることが強みです。エクセルや紙資料に比べて入力の手間が小さく、複数人による同時更新でも誤記載や更新漏れなどが発生しにくい仕組みです。また、顧客と最後の接触した際の商談内容をチーム内で共有できるようになります。さらに、与信情報や過去の購入金額、問合せ履歴、アンケートの回答など、マーケティング上の重要情報を顧客情報と紐づけて管理できることも見逃せません。CRMに積み重なったデータが顧客ニーズの把握につながるほか、商談時の文脈が保存されることで、営業担当者が変わっても適切なアプローチを続けやすくなるわけです。

案件管理

案件管理については「SFA」の活用が功を奏します。案件管理はSFAが持つ代表的な機能のひとつであり、時系列に沿った情報を可視化しやすくなるからです。SFA上で「どの担当者が、どの顧客に対し、どういった案件を進めているのか」を管理することで、案件の進捗状況や確度などを正確に把握することができます。また、案件の進捗状況から確度の高低を予測し、「確度の低い顧客に対しては必要以上の時間や人的リソースをかけない」といった工夫も可能になるでしょう。さらに、好成績をあげる営業担当者の案件履歴を分析することで、「勝ちパターン」を抽出し、部門内のノウハウとして確立することも可能です。

原価管理

原価管理については「SFA」「CRM」に加えて「ERP」を活用することで、より正確な数値を算出しやすくなります。原価管理の目的は、「標準原価の維持」と「収益性の向上(原価の低減)」にあります。したがって、収益を確保するためのボーダーラインを明確にするとともに、販管費や利益率の計算なども必要です。ERPには複数の業務部門から得られる情報をもとに、リアルタイムかつ正確な原価が保存されます。このことから、複雑で属人的になりがちな原価管理業務が効率化され、収益の確保につながる情報を素早く正確に入手しやすくなるのです。

見積り

見積りについては、SFAの持つ機能を活用すべきでしょう。SFAには、過去の実績データなどを参照したり、CRMやERPから正確な価格データを参照したりと、見積りの精度と速度が向上させる機能が搭載されています。この機能を活用することで、営業担当者個人の経験や勘を一旦排除し、明確な根拠に基づいた見積もりが提示できるようになります。また、見積りの根拠が一元化されることで、担当者間の見積もり精度にズレが発生しにくくなります。

請求、入金確認など決済関連業務

決済関連業務の効率化については、SFAや請求管理ツールの活用が効果的です。SFAが持つ請求書テンプレートや、請求管理ツールによる入金確認および消込によって、手入力と目視確認の手間が著しく減少するからです。請求書作成や入金確認などは、月に数回といったレベルで発生する「ルーチンワーク」です。ルーチンワークの手間が減ることは、固定費の削減と同様の意味を持ちます。また、発注書から金額情報を自動入力するタイプであれば、金額入力のミスなども減るでしょう。さらに、営業担当者が決算関連業務のストレスから解放されることも見逃せません。

 

営業の業務効率化を安価に進めるオールインワンツール

このように営業部門の業務効率化では、CRM、SFA、ERP、請求管理ツールといったITツールが役立ちます。しかし、請求管理ツールを除く3つのツールは、いずれも導入・運用コストが大きくなりがちです。また、巨大なパッケージ製品であることから機能が非常に多く、使う側にも一定以上の知識を要求します。つまり知識習得にかかるコストが、営業部門全体の負担になってしまうというリスクがあるわけです。業務効率化のためのツールが、業務効率を下げる原因になってしまっては本末転倒ですよね。そこで、営業部門の業務効率化に役立つ機能だけを集約した「オールインワンツール」も選択肢に入れていきましょう。オールインワンツールとは、CRM・SFA・ERPなどが持つ機能のうち、使用頻度が高いものをピックアップしてまとめたツールです。クラウド型のオールインワンツールであれば導入コストは極めて小さくなるでしょう。また、あらかじめ必要な機能だけに絞り込まれているため、操作方法で迷うことも少ないはずです。さらにクラウド上でデータが一元化されるため、CRM・SFA・ERPを併用するときのように、正確なデータをリアルタイムに入手しやすくなります。

 

5.まとめ


ここでは、業務効率化の本質と営業部門における業務効率化について解説してきました。営業部門では、担当者がさまざまな雑務の存在がボトルネックになることがあります。業務効率化によってコア業務(商談、提案など)に投下するリソースが増えれば、成果を上げやすい環境が作り出せるはずです。また、営業部門の生産性は売上や収益に直結するため、業務効率化は「攻めの施策」になりやすいことも見逃せません。まずは、クラウドを前提として、「低コスト」で「手軽」に導入でき、なおかつ学習コストの小さいオールインワンツールから業務効率化を開始してみてはいかがでしょうか。

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このコラムを書いたライター

ジョブマネ運営事務局 マーケティング担当
ジョブマネ運営事務局 マーケティング担当
新卒で都内の営業支援会社にて新規開拓営業に従事し、大企業向けにwebチャットツールの提案営業を行う。沖縄に帰郷後、salesforceの代理店にて中小企業向けの業務改善に従事。現在は自社開発業務改善ツール「ジョブマネ」のwebマーケティングに従事し、少しでも多くの中小・零細企業の業務改善ができるよう日々奮闘中。