過去の見積の流用の落とし穴

手書きの書類が、PCの普及により、各種アプリケーションによってデジタルデータで作成されるようになった事による大きなメリットに、複製の容易さが挙げられます。
例えば定期的に発生する案件の場合、昨年の見積は参考にして、流用が可能でしょうし、また同一規模、同一商材の見積であれば、他社の見積を、顧客名の書き直しのみで利用することが可能なケースも多いでしょう。

とりあえず流用してみましょう

「去年のイベントで作った用のTシャツを今年もお願いしたいのですが…」
営業担当からした場合にこれほど楽なオーダーはありません。ジョブマネでのこの時の流れは

見積管理で過去の案件を検索

見込案件の一覧については進行管理の利便性から、受注確定済みの案件を検索対象とするチェックが初期値では入っていませんのでこちらにチェックを入れて検索をします。
(破線、赤丸)
また、今回の参考にしたい案件は昨年の~とのこと。詳細検索を展開し、昨年の期日を指定して検索をかけると表示されます。
一覧で、当該、昨年のプロジェクトの見積等の情報が見つかればこれをコピーしてみましょう(破線、青丸)
すると以下のように、見積と、その案件で提出した不採用だった見積も同時に複製されます。

前回採用された見積は予め選択済みになっており、お客様とのやり取りで間違いがなければ「受注確定」→作業工程に進む事も可能ですが、通常は、改めて見積の提出をすると思います。詳細画面に進んでみましょう。

これで件名も間違いがなくなり、納期も調整したので後はPDFへ出力~発注書などを携えて先方にGOサインを貰えばお仕事完了!
と、これだけであれば去年提出した見積データがしっかりと保存・管理してあればジョブマネを使わなくても、『コピーして再編集で提出』はさほど手間なくできるというお客様もいらっしゃいますよね。ですが、簡単に流用ができるだけで、本当にいいのでしょうか?

去年の受注後の状況を確認する

今回のデータについてはもちろん架空のデータです。一例として、ご確認ください。
営業のお仕事をする際にここまでの流れ、昨年と同じ感じで~というオーダーを受けることは、割と発生する可能性がありますよね。
「見積管理で過去の案件を検索」の際に先の説明ではすぐに見積書のコピーへ進みました。
同じ画面で昨年度のそのプロジェクトの実行の結果を見てみましょう。検索結果でプロジェクト名をクリックし、詳細に進みます。

営業担当は昨年も見積20,000円でのプラン策定~提出。
ですが、、、実は昨年のプランでの受注の場合、納品までに原価、内制コスト(工数)などを含めた最終利益を見てみると17,941円の赤字を出していることがわかります。
先方に対して、見積を作成し、提出、了解を得て受注となりますが、『見積る』というのは、《計画をする》ことです。
「去年の同じものですね!ありがとうございます!」~コピーした見積もりの提出!完了!は、見積もれていない=ノープランでお仕事をしていることになってしまいます。
赤字案件なのに、自社にとって利益が全くないのに、《便利だから見積を再利用する》ことは、あってはならない事ですよね。

『Plan – Do – See』

過去のお仕事の『実行後』の結果を、誰もが簡単に『見る』ことができれば、次の『計画』を見積もるときに無駄のない適正価格=赤字も出さずお客様にも納得頂ける料金(お客様がお得だなぁ、それくらいは妥当な価格だなぁと感じる金額)の見積を作成提出する。
これこそがジョブマネがお客様に提供する『業務管理』システムの最高の強みです。
先の例であれば何も仕事を受けるな!というわけではなく、前回の結果を踏まえて、顧客満足度を下げずに、自社利益が出せるかを確認した上で、次回以降の計画に生かしていけるかが、会社の成長においては重要ですよね。
改めて先の画像を御覧ください。

もちろん、利益は『売上』-『諸経費』なので、見積金額が大きくなるか、諸経費が小さくなれば、利益はプラスに転じます。
お客様から『去年とおなじものを~』とオーダーがあったものに対して
「去年20,000円でしたが、利益が出なかったので今年は40,000円になります」
とは、言いにくいですよね。
そこで前回のお仕事の『諸経費』を削減することを考えてみましょう。

原価の見直し

『原価』の項目を確認します

今回は《スタッフTシャツの仕事》と仮定したものです。
ここにある3件のコストのうち真ん中のシャツの仕入れは本年も必要でしょう。
上段のバイク便の利用代金はなぜ必要だったのか?
こちらは『資料フォロー』との内容ですので、何らかの確認のために利用した可能性が高いですね。前回確認している内容であれば、削減可能なコストとなります。
もちろん、削減可能にするためには業務担当者が1案件ごとにステップアップを図る必要もあります。
そして、この案件の問題は下段の印刷外注代。外注費だけで1万円かかっている状態のようです。この内容を確認してみましょう。

ジョブマネの原価詳細を確認すると、デザインの問題で特殊な処理が必要になった、つまり。前回の案件の見積~受注時には想定できていないコストであったことになります。
このようなケースだと、営業マンができる選択肢は2つあると思います。
お客様に正直に「去年のままの印刷デザインだと実はコストが掛かってしまって受けられないので、料金を〇〇円値上げさせてください。」とする方法。
または、通常の印刷工程で収まるデザインに変更し、「去年のままの印刷デザインではなくこちらでいかがでしょう。」と商談を進める方法などを検討、お客様にとってベターな選択肢を提示できるかが鍵になるでしょう。ここまで来れば、営業マンの腕の見せ所と言ってもいいのかもしれません。

工数の見直し

自社内で作業した分をコスト換算した部分、工数を見ていただくと以下のようになっています。

工数管理ができていればその案件にどれぐらいの人件費の投入があるかを可視化出来ます。
前回はデザインに5時間かけている状態です。今回は前年度をベースに本年度版での流用とのことなので、作業時間の節約が期待できます。
本件は、前年赤字になったプランですが今回のようなバックオーダーが続けば収益化に近づく可能性を秘めていることも見て取れます。

結論

今回の例示されたサンプルでは『営業担当者』が、何気なく気軽に受けてしまいがちな『再注文』にある落とし穴を説明させていただきました。
もちろん逆に、利益率を確認した上でもし余力があれば、競合が出てきた場合に適切な価格競争に打って出ることもできるでしょうし、また赤字覚悟の値下げ競争に巻き込まれるリスクも軽減されます。
見積複製以上の管理された案件があれば、作業計画の見積→無駄のない実施→正確な評価把握が可能で、それがあってはじめて『再注文』が大きなプラスになるとおもいます。
営業も、制作も、経理管理部門も、このPlan – Do – Seeのシンプルなサイクルを共有することがジョブマネ一つで可能になるのです。

 

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