【初心者向け】クラウドサービスとは?意味や導入メリット・デメリットなどを解説! | ジョブマネ

最終更新日 2022.03.30

【初心者向け】クラウドサービスとは?意味や導入メリット・デメリットなどを解説!

今では多くの企業が利用している「クラウドサービス」。しかし、そもそもクラウドサービスとはどのようなものを意味するのか、明確に理解できていないという方も少なくないでしょう。

そこで本記事では、クラウドの意味や誕生した背景、クラウドサービスを導入するメリット・デメリットなどを中心に解説します。

IT初心者の方や、まだクラウドサービスを導入していないという担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

記事の内容

1.クラウドサービスとは何?


インターネットに詳しくない方でも「クラウドサービス」というワードは1度は聞いたことがあるのではないでしょうか。まずは、「クラウド」の概要について理解していきましょう。

クラウド(クラウド・コンピューティング)の概要

「クラウド」または「クラウド・コンピューティング」とは、利用者がサーバーやソフトウェアなどを持っていなくても、インターネット上でサービスを利用できる仕組みのことです。さらに、この仕組みを活用して提供されるサービスを「クラウドサービス」と呼びます。

クラウドサービスを利用する場合、パソコンにソフトウェアをインストールしたり、ハードウェアを購入したりする必要がありません。

総務省の「令和3年版情報通信白書―企業におけるクラウドサービスの利用動向」によると、クラウドサービスを利用している企業の割合は68.7%で、年々増加傾向にあることがわかります。

また、クラウドサービスについて「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と回答している企業の割合は約9割にのぼり、多くの企業がクラウドサービスの効果を実感しているといえるでしょう。

なぜ「クラウド(雲)」と呼ばれるのか

ご存知のとおり、英語の「クラウド(cloud)」を直訳すると「雲」という意味になります。ではなぜ、前述した仕組みを「クラウド」と呼ぶようになったのかについては、諸説あります。

よく聞くものとして、「インターネットの向こう側の(まるで雲の向こう側のような)サービスを利用することから」「技術者がクラウドを説明する際に、雲のイラストを使用していたから」といったものが挙げられます。

参考:令和3年版情報通信白書|総務省(P.313〜)
参考:クラウドサービスとは?|総務省

 

2.クラウドが生まれた背景


クラウドが普及し始めたのは2006年頃のことですが、クラウドが誕生するまでにはさまざまな経緯がありました。その経緯を簡単にご説明します。 

インターネットの急速な普及

コンピューターの価格が下がりつつあった1990年代、企業は1人1台の端末を導入するようになりました。特に1995年にMicrosoftが発売したWindows95をきっかけに急速に普及が広がりました。Windows95は、ウェブブラウザ、ダイヤルアップ接続機能が搭載されており、一般家庭でも手軽にインターネットが利用することができたことが大きな理由です。

しかしダイヤルアップ接続は通信速度が十分ではないこと、主に従量課金制での利用だったため文字でのやり取りが中心で活用されていました。

その後インターネット接続方式「ADSL」の誕生、総務省によりルールが整備され高速、定額料金、常時接続可能な「ブロードバンドサービス」が登場したためインターネットは一気に身近なものとなりました。

インターネットの急速な普及により大きな影響を受けたのが企業です。これまで「クライアント・サーバー・モデル」と呼ばれるシステムを活用している企業が多かったのですが、インターネットがきっかけで「ウェブサービス」や「ウェブアプリケーション」の導入へと変化しています。

インターネットビジネスの誕生

インターネット、ウェブアプリケーションの誕生で生まれたビジネスモデルもあります。それこそが「インターネットビジネス」と呼ばれるものです。インターネットを活用することで消費者と直接やり取りを行うことができるようになりました。

特にAmazonのEコマースは大成功を収め、それに続くようにさまざまなインターネットビジネスが誕生しました。

企業システムをインターネットで構築する、インターネットをビジネスに活用することはクラウドの土台となっていると言えます。

ウェブスケールと呼ばれる概念

クラウドが誕生した背景に大きく関わっているのがインターネットの普及とウェブスケールです。ウェブスケールとはインターネットで取り扱うデータが膨大な量かつ継続的に増加するという意味です。

インターネットやシステムが扱うデータがウェブスケールである場合、従来のシステムだと以下の問題が発生します。

・扱うデータ量の増加に伴いシステムを拡大する必要が生じる
・膨大なデータを計算する処理能力がシステムに求められる

ウェブスケールを意識してビジネスを行うためには、ウェブスケールに対応しているシステムが必要となります。この問題はクラウドの誕生に大きな影響を与えています。

Googleの上場でクラウドが注目を集める

ウェブスケールが背景となり誕生したのがクラウドです。最初にクラウドについて発言したのは南カリフォルニア大学のラムナト・チェラッパ氏。1997年に提供されましたが、この時はまだクラウドが世の中に広がることはありませんでした。

世間にクラウドという存在を広く周知させたのは、Googleの誕生とGoogle CEOの発言だと言われています。

2004年に検索エンジンを主なサービスとして上場したGoogle。Googleはインターネットを活用して世界中の全ての情報を整理する、世界中の人たちがアクセスできて利用することができることが今後の課題であるとしていました。

そして2006年にGoogle CEOを務めていたエリック・シュミット氏がクラウドについて「データーサービスは雲のような存在であるサーバー上に存在しており、ブラウザやアクセス手段、端末によらず雲にアクセスすることができる」と発言しました。

この発言によってクラウドは周知され、注目を集めることとなりました。

クラウドの今後

エリック・シュミット氏の発言以降クラウドは注目を集め、たくさんの企業によってクラウドサービスの提供が始まりました。クラウドサービスを導入している企業も増加傾向にありますが、クラウドには今後どのような未来が待っているのかも解説していきます。

Googleは、「ビジネスの未来はクラウドにかかっている」と発言しています。2024年までにほとんどの企業はクラウドサービスを組み合わせたマルチクラウド環境を構築すると予想されており、それによりビジネスの世界ではたくさんのイノベーションがより早いスピードで行われると言われています。

それだけではなく企業を引っ張っていくリーダーとして以下の事項について備える必要があるとも語っています。

・自社に適しているクラウドモデルを持つこと
・オープンプラットフォームに構築を行うこと
・ICTのセキュリティをもう1度見直す
・変革をリードする

クラウドの歴史だけではなく、これからどのような発展を行うのかを考えることにより時代に取り残されることなくビジネスを展開することができるようになります。

さらに発展していくクラウドサービスの必要性を十分に理解して導入を行ってください。

 

3.クラウドサービスの分類


クラウドサービスの代表的な種類は、「SaaS」「PaaS」「HaaS/IaaS」の3つです。

・SaaS(サース)・・・事業者がアプリケーションまでを提供し管理する
・PaaS(パース)・・・事業者がミドルウェアまでを提供し管理する
・IaaS(イアース/アイアース)・・・事業者がOSが稼働するソフトウェアまでを提供し管理する

それぞれについて以下で確認していきましょう。

SaaS(サース)

「SaaS(サース)」とは、パッケージ製品として販売されていたソフトウェアを、インターネット上で利用できるようにしたサービスのことです。以前は「ASP(Application Service Provider)」などと呼ばれていました。私たちが普段利用しているインターネット上のサービスの多くは、このSaaSであると考えてよいでしょう。

アプリケーションなどをインストールしなくても利用したいサービスをインターネット経由で手軽に活用することができます。

SaaSが使われているサービス一覧

SaaSは私達が普段利用しているサービスでよく利用されています。その中でも代表的なサービスの一例を紹介します。

・オフィスソフト(Microsoftなど)
・グループウェア(サイボウズなど)
・Webメール(Gmailなど)
・オンラインストレージ(Dropbox)

業務を行う上でかかすことができないサービスのほとんどがSaaSであることがわかります。

SaaSのメリット・デメリット

SaaSのメリットは、インターネットを介してサービスを使用するため複数の端末から同時にアプリケーションを利用できるところです。1つのデータを複数のユーザーが同時に閲覧、編集することもできるため情報共有を簡単に行うことができます。アップデートも自動で行われるため、利用者の手間がかからずに常に最新のセキュリティを保持することができることもメリットだと言えるでしょう。

一方でSaaSのデメリットとしてあげられるのがインターネットがなければサービスが利用できないという点です。SaaSはすでに完成しているサービスを活用しなければいけないため、独自にカスタマイズすることが難しいです。そのため、カスタマイズしてクラウドサービスを利用したいと思っている企業には不向きだと言えます。クラウドサービスを活用するということは社内情報が外部に出ることになるため、セキュリティ面やデータ損失に不安を感じるという声もあります。

PaaS(パース)

「PaaS(パース)」とは、ソフトウェアが稼働するのに必要なプラットフォーム(開発環境)を、インターネット上で利用できるようにしたサービスのことです。

PaaSは、システム開発領域をターゲットにしているサービスでよく活用されています。開発環境の提供、プラットフォームを設定するなどで説明されることが多くあります。システム開発に必要なアプリケーションとOSをつなぐミドルウェア、WebサーバーOS、データベース管理システム、プログラミング言語などのソフトウェア一式の提供を行います。

PaaSが使われているサービス一覧

PaaSは以下のサービスで利用されています。日常生活や業務ではなじみがないかもしれませんが、システム開発やシステム運用を行っている方であれば1度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

・Google App Engine
・Heroku

Google App Engineは、プログラミング言語を使用してWebアプリケーションの開発と公開を可能にします。そしてHerokuは、Webアプリケーションの開発、実行、運用までをクラウド上で完結できるクラウドアプリケーションプラットフォームです。

PaaSのメリット・デメリット

これまでWebサイトを構築したことがある方であれば、PHPやMySQLと呼ばれるプログラミング言語やデータベース管理システムを提供された経験があると思います。PaaSは開発で必要となる言語や管理システム、OSなどの基盤だけではなく開発ツールも提供してくれるメリットがあります。そのためこれまで行ってきた複雑で面倒な開発環境を整える手間がなくなりました。

しかし利用できる開発言語データベースはPaaSが提供しているものに限られるため、自由に開発環境を構築することはできません。

IaaS(イアース/アイアース)

IaaSは「Infrastructure as a Service」の略でイアース、アイアースと読みます。アプリケーションを利用する環境も含めて一括で提供してくれるSaaSとは異なり、IaaSはストレージ、ネットワーク、サーバーなどのインフラやハードウェアまでを提供します。

IaaSが使われているサービス一覧

IaaSが使われている主なサービスは以下の通りです。

・Amazon Elastic Compute Cloud (Amazon EC2)
・Microsoft Azure
・Google Compute Engine(GCP)」

Amazon、Microsoft、Googleなど有名企業がサービス展開しています。

IaaSのメリット・デメリット

サーバーやストレージなどを提供するサービスと聞くと「ホスティングサービス」を思い浮かべる方も多いかもしれません。IaaSはCPUやメモリ、ストレージなどのスペックを自由に選べてスケールアップも柔軟に対応することができます。

それだけではなく、企業に必要なシステム環境も自由に設計することが可能です。料金も構築したスペックに応じて変動することがありますのでコストが安くなるかもしれません。

たくさんのメリットがあるIaaSですが、活用するためにはインフラ設計やサーバー管理、運用スキルなどIaaSの利用を前提とした専門知識を持っていなければいけません。

 

4.クラウドサービスを導入するメリット


クラウドサービスを導入すると以下のようなメリットを得ることができます。クラウドサービスの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。

①どこでも仕事ができる

クラウドサービスを導入していれば、外回り中に利用したり、テレワーク中に利用したりと、時間や場所を選ばず使用できます。また、スマートフォンやタブレットなどのデバイスからも、オフィスにいるのと同じように業務を進められます。

今後、働き方の多様化がますます進むなかで、クラウドサービスは欠かせないものとなるでしょう。

②初期費用や維持管理費用を抑えられる

これまで、新たなサービスを利用するにはサーバーへソフトウェアをインストールする必要があり、サーバーそのものやソフトウェアの導入・運用にコストがかかっていました。クラウドなら、サーバーやソフトウェアを購入する必要も、自社でメンテナンスをする必要もないため、コストを抑えられるメリットがあります。

③システムを構築する必要がない

自社で一からシステムを構築するには、時間も人的コストもかかるでしょう。クラウドサービスなら時間や労力をかけず、申し込み後すぐに運用につなげることが可能です。専門知識がなくても問題ないため、導入ハードルはとても低いといえます。

④手間をかけずに最新の状態で利用できる

自社でシステムを構築すると運用、管理、メンテナンスを自社で行わなければいけません。運用や管理を行うにはそれなりに知識を持っている人材が必要になりますし、社内にそのような人物がいない場合は外部に別途依頼することとなります。

しかし、クラウドサービスは、サービスを提供している企業がメンテナンスを行ってくれるためメンテナンスの手間がかからず常に最新の状態で利用することができます。メンテナンスを行う手間を省くことは、コストの削減にもつながります。

⑤すぐにサービスを利用することができる

クラウドサービスの導入は、既にリリースされているシステムを購入することになります。そのため契約完了後すぐに利用できるのがメリットの1つです。仮に自社でシステム開発から行う場合、最低でも数ヶ月の時間がかかってしまいます。システムによっては途中で失敗する事も考えられます。

いち早く業務の改善、効率化を図るためにはクラウドサービスを購入した方が良いと言えます。

⑥簡単に情報共有ができる

クラウドサービスはインターネットを使って利用します。インターネット環境が整っていれば社内はもちろん社外からでもアクセスすることが可能です。場所や時間にとらわれずに簡単に情報共有を行うことが可能です。簡単に情報共有ができると業務の効率化にも繋がります。

 

5.クラウドサービスを導入するデメリット


クラウドサービスを導入するメリットについて解説しました。しかしクラウドサービスにはデメリットも存在します。メリットだけではなくデメリットに関しても十分に理解しましょう。

①セキュリティ対策が必要

インターネット上のサービスは、サイバー攻撃の標的になるなど、セキュリティ面でのリスクはゼロではありません。基本的には、サービスを提供する事業者が最新のセキュリティ対策をとっていますが、社内でもID・パスワードのルールを決めたり、重要なデータへのアクセス権限を設定したりといった対策が求められます。

②カスタマイズが難しい

自社でシステムを構築する場合は自由にカスタマイズできるものの、クラウドサービスは複数の企業で共有されるため、カスタマイズは困難です。ただし、一定のカスタマイズが可能なサービスも登場しているため、カスタマイズの要・不要を検討したうえで、必要に応じてカスタマイズ可能なサービスを導入するとよいでしょう。

③サービスが終了する可能性がある

クラウドサービスを提供する事業者の都合で、サービス内容が変更・縮小、またはサービス自体が終了してしまう可能性があります。永久に利用できるわけではないことを念頭に、サービスが終了してしまった場合の対処法をあらかじめ決めておくことが大切です。

 

6.クラウドサービス導入に適している企業


これからクラウドサービスを導入したいと思っている企業はたくさんあると思います。具体的にどのような企業がクラウドサービスと相性が良いのか、クラウドサービス導入に適している企業について詳しく解説していきます。

①リモートワークの推進を行っている企業

まず最初に挙げられる事項が、リモートワークの推進を行っている企業であることです。クラウドサービスはリモートワークには必要不可欠な環境です。既存の社内サーバーでリモートワークを行うためには、VPN接続を行いデータを暗号化しなければいけません。暗号化を行うことで公衆回線を使っても通信の内容が外部に漏れることを防いでくれます。

しかし、VPNを確立するためには時間と費用がかかってしまいます。アクセスする社員が多ければ多いほど通信速度が遅くなるデメリットもあります。一方でクラウドサービスは、インターネット環境が整っていればどこでも業務を行うことができます。

通信速度も安定しているため多くの社員がアクセスしても問題ありません。

②状況に合わせたサーバー管理を行いたい企業

状況に合わせて社内サーバーの容量を増減させたいと思っている企業にもクラウドサービスはおすすめです。サーバーの容量を増やす場合、ハードディスクを増設しなければいけないため場所も時間もかなりかかってしまいます。

クラウドサービスは、クリックするだけで容量を拡大、縮小することができるため状況に合わせたサーバー管理を行う事が可能です。

③セキュリティ担当者がいない企業

本来はサーバーを管理者、セキュリティ担当者を設置するべきですが働き手の不足により担当者が不在の場合もあるかもしれません。

自社にサーバー・セキュリティ担当者がいない場合もクラウドサービスがおすすめです。クラウドサービスであれば、クラウドサービスの事業者が代わりにセキュリティ管理を行ってくれるため自社で作業を行う必要はありません。

セキュリティ担当者不在でも強固なセキュリティを維持することができるというわけです。

④災害に備えたい企業

書類や帳簿など紙での情報管理は災害が起きると全て損失する恐れがあります。しかし、クラウドサービスに情報を保管することで万が一災害が発生したときでも社内情報などをしっかりと守ることができます。

クラウドサービスで使用されているサーバーは、災害が起きる確率が低い遠隔地などに設置されています。そのためデータが損失してしまうリスクは低く安全です。

 

7.クラウドサービスに不向きな企業


クラウドサービスは残念ながら全ての企業に適しているものではありません。クラウドサービスの導入を行う前に自社がクラウドサービスを導入するべきなのかもきちんと確認しておく必要があります。

①厳しいセキュリティが必要な企業

公的機関や金融機関は膨大な量の個人情報と機密情報を取り扱っているため、厳重なセキュリティが求められます。クラウドサービスでも厳重なセキュリティを敷いていますが、取り扱う情報の内容によってはそれだけでは不十分であることも考えられます。

情報の取り扱いに厳しい企業や機関はクラウドサービスではなく社内サーバーの利用が向いているかもしれません。しかし、近年はクラウドサービスのセキュリティのレベルも格段にあがっています。将来的にはクラウドサービスでも高いセキュリティになることが期待できます。

②システムをカスタマイズしたい企業

クラウドサービスではなく、「自社オリジナルのシステムを開発してクラウドサービスと連携したい」などオーダーメイドで運用を行いたい場合もクラウドサービスではなく社内サーバーの利用がおすすめです。

クラウドサービスは、サービス提供者が事前に定めているOSや環境を利用しなければいけません。自社のシステムとの連携ができない可能性も十分に考えられます。細かい部分も連携をしたいのであれば、社内サーバーでの管理を行いましょう。

③サーバーの拡張が必要ない企業

サーバーなどハードウェアの増設、容量を拡大する必要がない企業はクラウドサービスを使うよりも社内サーバーを活用しましょう。社内サーバーを活用すれば手間をかけることなく運用が可能です。

④自社で災害対策を行うことができる企業

企業から離れたところにサーバーを設置しているなど自社で災害対策を既に行っている場合は、クラウドサービスを無理に活用する必要はありません。クラウドサービスを活用するよりも安全に情報を管理することができ、コストの削減にもつながります。 

 

8.クラウド化に向いている業務


では実際にどういう業務がクラウド化に向いているのかご紹介します。

工数管理

工数管理は「業務の完了までにかかる(かかった)時間」×「業務に必要な(要した)人数」という計算式で算出されるもので、プロジェクトの遂行に必要な業務量のことを表します。

工数管理ツールをクラウド化することで、作業者がテレワークなど社外で業務をされていてもきっちりとプロジェクト遂行のための業務量を確認することができます。

案件管理

「案件管理」とは、受注した案件について、損益や進捗状況などの情報を適切に管理することをいいます。案件に関する一連の情報を把握しておくことは、組織として効率的な稼働を目指すうえで欠かせません。

案件の情報共有をリアルタイムに行うには案件管理ツールのクラウド化は必須です。

見積管理

見積管理ツールをクラウド化するメリットとしては、誰がどの顧客にどういう内容でいくら金額を提示したのか共有できる点です。

また、他の営業メンバーが作成した見積書を利用したい場合はコピーの機能が備わっていることが多く、見積書作成の手間も軽減されます。

商談管理

商談を受注へ導くためには、商談の状況をリアルタイムで管理し、受注のために必要な人や情報などを準備することです。

そのためには商談管理ツールをクラウド化させ、関係者へリアルタイムな情報共有が重要になります。

顧客管理

ビジネスを成功させるためには適切な「顧客管理」が欠かせません。日々顧客と接する中で得る情報は属人化させずに、なるべく多くの関係者と共有するのが望ましいでしょう。

そのために顧客管理システムをクラウド化することは現在の顧客管理の定石となっています。

 

9.【企業向け】クラウドサービスの例


最後に、企業向けのクラウドサービスにはどのようなものがあるか、一例をご紹介します。

グループウェア

グループウェアとは、効率的な業務の遂行に必要な機能が搭載されたシステムのことです。

スケジュール管理やタスク(ToDo)管理、ワークフローなどのさまざまな機能をクラウド上に集約することで、組織内の円滑なコミュニケーションや、リアルタイムでの情報共有が可能になります。

勤怠管理システム

勤怠管理システムとは、従業員の出退勤時間や残業時間、欠勤などの管理を行なうシステムのことです。

タイムカードなどで勤怠管理をしている場合でも、勤怠管理システムを使って、そのデータをクラウド上に保存・集計するという方法もあります。

社内SNS

社内SNSとは、その名のとおり社内限定で使用するSNSのことです。

クラウド型の社内SNSなら、共有した情報をクラウド上に蓄積できるため、従業員・部門間の連携強化などに活かせるでしょう。

採用管理システム

採用管理システムとは、企業の採用活動に必要な機能が搭載されたシステムのことです。

クラウド型の採用管理システムなら、応募者の情報をいつでもどこでもリアルタイムで確認できるうえ、選考状況をはじめとする各情報も共有しやすくなります。

 

10.クラウドサービスの選び方


クラウドサービスを導入するのであれば自社に適したサービスを選ぶ必要があります。クラウドサービスの選び方がわからない場合は、以下の項目を参考にしてみてください。

①クラウドサービス導入の目的で選ぶ

クラウドサービス導入にあたり大切なのは、「なぜクラウドサービスを導入するのか」目的を明確にすることです。クラウドサービスを導入することにより、企業が抱える課題を解決することができます。

勤怠管理に課題を抱えているのであれば勤怠管理システム、リモートワークを推進したいと考えている場合はチャットツールを搭載しているクラウドサービスの導入を行うことで課題の解決を行うことができます。

なぜクラウドサービスを導入した方が良いと思ったのか、その理由を明確にすることが大切です。

②データ容量

データ容量はクラウドサービスを使う上でもっとも影響を与えます。そのためクラウドサービスを選ぶ場合は、データ容量もしっかりと確認しましょう。テキストデータであれば数十GBで問題ありませんが、動画や音楽などのファイルも取り扱う可能性があれば数TBの容量が必要になるかもしれません。

必要なデータ量が定期的に変動することが予想されるのであれば、データ量を選ぶことができるクラウドサービスを選ぶようにしましょう。データ量が少なく、後からデータ量の変更ができないものを選ぶと不便を感じるかもしれませんのでご注意ください。

③手厚いサポートがあるか

クラウドサービスのサポート体制もきちんと確認しておく必要があります。クラウドサービスによっては、プランによって受けることができるサポートが異なる可能性もあります。手厚いサポート体制が整っているとセキュリティやクラウドサービスに詳しくなくても安心して運用することができます。

障害発生など不具合が発生した時も速やかに対応してくれます。クラウドサービスのサポート体制は以下の点に着目するのがおすすめです。

クラウドサービス導入時の相談が可能か
・クラウドサービスの構築を依頼できるか
・問い合わせ方法
・問い合わせ受付時間
・問い合わせ対応時間
・作業が必要な場合どこまでサポートしてくれるのか

少しでも気になる点があれば導入前に問い合わせを行うようにしましょう。

④使いやすさ

「クラウドサービスを導入したけど使いにくい」なんてことを防ぐために、使いやすいクラウドサービスであるかを確認する必要があります。クラウドサービスによってはお試し期間が設けられている場合もありますので実際に使ってみて納得した上で導入を行いましょう。

⑤機能性

機能性をチェックする時に注意しなければいけないことは以下の2つです。

1.ブラウザとアプリで使用できるか
2.パソコンだけではなく他の端末にも対応しているか

社内で勤務をしている場合はパソコンからアクセスをするかもしれませんが、外回り、テレワークなどを行う場合はスマートフォンやタブレットからアクセスをすることも考えられます。アクセスできる端末に制限がある場合はおすすめできません。

 

11.クラウドサービス導入への3ステップ


クラウドサービスを上手く活用すると売上の向上や業務の効率化につながります。生産性向上のためにクラウドサービス導入の際は以下のステップを踏む必要があります。

①課題の確認

クラウドサービスについて調べる前にまずは解決したいと思っている課題とその原因について深堀りしていきましょう。課題とその解決方法を明確にしておかなければ、課題解決のためのクラウドサービスを選ぶのは困難です。

②クラウドサービスを適用する範囲の決定

課題の確認を行い、どこまでクラウドサービスを活用するのかを決定します。内容によってはクラウドサービスを活用しない方がよいこともあるかもしれません。既存の社内システムをクラウドサービスに変更するのか、一部のシステムを残すのか決定することも重要なポイントです。

③クラウドサービス導入

クラウドサービスを適用する範囲と導入するクラウドサービスが決まれば実際に導入を行います。クラウドサービスを導入すると働き方に変化が起きるため事前にどのような変化があるのかを社内で共有しておく必要があります。

事前に情報を共有することで混乱を招くことなくクラウドサービスの導入を行うことができます。クラウドサービスに関する勉強会を行うなど企業全体で社員をサポートしましょう。

④クラウドサービスの効果を検証

クラウドサービスは導入して終了ではありません。実際にクラウドサービスを導入してどれくらいの効果があったのかを検証する必要があります。検証を行うことで想定よりも費用がかかっている、業務の効率化が進んでいないなどに気づくことができます。

想像以上の成果を得ることができていなければ、さらに原因を追求し改善を行いましょう。クラウドサービスは導入すれば良いものではなく、常に効果を検証し改善を続けていく必要があります。改善を続けることで売上アップにもつながります。

 

12.クラウドサービス導入の際の注意事項


クラウドサービスを導入する際は以下の注意事項をよく確認しましょう。

・社内システムと連携できるか確認する

既に企業独自のシステムを使用している場合、クラウドサービスと連携ができないことがあります。導入しようとしているクラウドサービスが既存システムと相性が良いかは事前に確認する必要があります。

・ランニングコストを計算しておく

クラウドサービスは、月額料金が発生するものと買い切りのものがあります。初期費用が無料でも月額料金でかなり費用がかかってしまうこともあります。そのため事前にランニングコストがどれくらい発生するのかを確認しておく必要があります。

ランニングコストを把握していなければ想定していた金額以上支払うことになるかもしれません。クラウドサービスを利用する際は月額料金にも注意し、コストに見合っているかも確認しましょう。

 

13.まとめ


今回は、初心者の方へ向けて、クラウド/クラウドサービスについての基礎知識を解説しました。あらためて、記事のポイントを振り返ってみましょう。

・クラウドサービスとは、利用者がサーバーやソフトウェアなどを持っていなくても、インターネット上でサービスを利用できる仕組みのこと→この仕組みを活用して提供されるサービスを「クラウドサービス」と呼ぶ

・クラウドを利用すれば、サーバーを個別に設置・管理しなくても、インターネットを通じてサービスを利用できる

・クラウドサービスには、いつでもどこでもサービスを利用できたり、初期費用や維持管理費用を抑えられたりするメリットがある

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このコラムを書いたライター

ジョブマネ運営事務局 マーケティング担当
ジョブマネ運営事務局 マーケティング担当
新卒で都内の営業支援会社にて新規開拓営業に従事し、大企業向けにwebチャットツールの提案営業を行う。沖縄に帰郷後、salesforceの代理店にて中小企業向けの業務改善に従事。現在は自社開発業務改善ツール「ジョブマネ」のwebマーケティングに従事し、少しでも多くの中小・零細企業の業務改善ができるよう日々奮闘中。